【女子ゴルフ】全米女子オープンに挑む宮里藍。悲願達成のカギは2つ (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 今年の舞台は、ウィスコンシン州コーラーの、ミシガン湖畔にあるブラックウルフラン。1998年、韓国の女子ゴルフブームの火付け役となった、朴セリ(韓国)が優勝したコースと言えば、記憶がよみがえる人もいるだろう。

 コースの全長は、6984ヤード。7000ヤード超えで史上最長だった昨年より短いとはいえ、昨年のブロードムーア(コロラド州)は高地で飛距離が出たため、実際には「今年のほうが長い」と選手たちは口をそろえる。

 練習ラウンドを終えた宮里も、やはりそのコースの長さには相当な手強さを感じていた。
「とにかく、長い。特に前半の9ホールは『すごく長い!』という印象です」

 続けて、「後半も池が絡んでいてやっかい。フェアウェーは広いけれども、グリーン上には小さいマウンドがたくさんあって、セカンドの距離感を合わせるのがすごく難しい」と語り、例年どおりのタフなセッティングに、改めて気持ちを引き締しめた。

 今年も、距離のある難コースであることは間違いない。はたして有利なのは、ロングヒッターなのだろうか。安定したショットとショートゲームを武器とする宮里は、コース攻略のカギをこう語る。
「まず、グリーン上での勝負。そして、その日のティー(グラウンド)からの距離に合わせた、クラブ選択が重要になると思います」

 宮里が一番に口にしたように、最も重要なのはグリーン上だ。アプローチとパッティングの冴えが、上位進出のポイントとなる。なにしろ、同コースのグリーンは大きく、アンジュレーションのある難グリーン。現在、米女子ツアーで平均パット数第1位の宮里でさえ唸り声を上げるほど、攻略するのは容易ではないようだ。

「う〜ん......、かなり難しそう(笑)。とにかく、今週はイマジネーションが大事になると思います。上って下ってというパットと、スネークラインのパットが山ほどありますから。そこで、どれだけ自分のイメージが出てくるか。ラインよりもスピード。それが合えば、大きくミスすることはないと思います」

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