【ゴルフ】韓国代表総監督が語る「韓国人が世界で成功している3つの要因」 (4ページ目)

  • 慎 武宏●取材・構成 text by Shin Mukoeng
  • photo by Getty Images

 ただ彼女には、物事を常にポジティブに考え、受け止める楽天家の気質がありました。そのポジィティブシンキング、つまり勝負も練習も楽しめるチャレンジ精神とその姿勢が、彼女を大成させたと思います。

 今、アメリカツアーで活躍する、チェ・ナヨンもそうです。彼女もジエ同様、昔は勝負根性にやや難がありました。技術面は素晴らしかったのですが、体格が細くちょっぴり淡白で、勝負根性が弱かったのです。

 そんな彼女も、そうした自分の弱点を克服しようと努力したし、特に彼女の場合は多くの試合経験、それも本場アメリカで揉まれることで勝負根性を育み、大きな成長を遂げました。中学時代はか弱い少女でしたが、今では頼もしい世界トッププレーヤーになりました。「やればできる」と信じて飛び込んだ厳しい環境が、彼女を鍛え育てたと言えるのではないかと思います。

 練習量と挑戦心。それが韓国ゴルフの"チカラ"とも言えますが、韓国ゴルフの躍進を語るには、もうひとつ大きな要素があります。

 それは、韓国ゴルフ界が長年に渡って取り組んできた育成システムです。前出した選手たちも、その育成システムのもとで鍛えられ、世界に羽ばたいていったと言っても過言ではありません。韓国代表総監督として、その育成現場に携わってきた者として、次回は韓国の国家代表選抜システムについて紹介したいと思います。
(つづく)

  ハン・ヨンヒ(韓然熙)
1960年2月1日生まれ。1980年5月からゴルフをはじめ、1988年5月にKPGA(韓国プロゴルフ協会)プロテストに合格。同年からツアー生活を送るも、腰のケガなどもあって1995年ツアー生活に終止符を打ち、指導者に転身。済州(チェジュ)観光大学、済州高等学校、ピボン中学・高校のゴルフ部監督を歴任し、2003年から2011年までKGAの国家代表総監督を務める。その間、KLPGA(韓国女子ゴルフ協会)指導者賞、KGA指導者賞を受賞し、2011年には体育勲章である「猛虎章」を授与された。

検証・韓流ゴルフ「強さの秘密」(全13回)>

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