【男子ゴルフ】石川遼のマスターズ、今までとは違う予選落ちの理由

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

石川遼は4度目のマスターズに向けて万全の準備を整えてきたが、残念ながら予選落ちに終わった。石川遼は4度目のマスターズに向けて万全の準備を整えてきたが、残念ながら予選落ちに終わった。 石川遼は、途方に暮れたように遠くを見つめていた。まるで自分がプレイしてきた足跡をたどるように語り始めた。

「(予選落ちは)残念なんですけど、仕方がないですね。いい準備をするということに努力を注いできたし、それができて、木曜(初日)のティーグラウンドに立ったと自分では確信を持っていますから。試合が始まってしまったら、結果の部分ではダメだったということで片付きますが、大切なのは、それまでのプロセス。どういうふうに努力をしてきて、この試合に臨んだかというのが大事なところだと思っています」

 マスターズ4度目の挑戦となる今大会、石川の準備はしっかりと整っていた。練習ラウンドでもドライバーショットはいつになく安定していたし、すべてが自分自身も含めて期待できる流れだった。

 しかし、初日にまさかの4オーバー。その原因となる1打があるとすれば、後半12番のティーショット。グリーン手前の池に落として、ダブルボギーを叩いた。

「ミスの幅がまだまだ大きい。ひとつのミスがトラブルを招いてしまう。自分で打った感じがミスショットだとしても、結果的には大きなミスにならないということができてくれば、すごくいいゴルフになってくると思う」

 ゴルフの場合、すべてのショットが完璧にできるとは限らない。よくショットの精度を高めるという言い方をするが、それは完璧なショットを打ち続けるということではなく、ミスの幅を狭くするということなのだ。つまり、許されるミスの範囲内にとどめられるショットを打てるかどうかだが、今回の石川のゴルフは、明らかに致命傷となるミスが、ふとゲームの中で出てしまったわけである。

「ひとつのミスがこうやって大きなスコアの崩れを招いてしまう。そこは、今までのマスターズではそれほど経験したことはなかった」と振り返った。

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