【女子ゴルフ】宮里藍「今年はメジャーチャンピオンになる」現実味 (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 宮里にとって今季初戦のホンダ・タイランド。宮里が1打リードで最終日を迎えたものの、ヤニ・ツェンが66をマークして逆転。宮里は1打及ばなかった。

 その後、「良い戦いでした。でも次は勝ちたい」とリベンジを誓った宮里に、その機会は3月15日からのRRドネリー・ファウンダーズ・カップで早々に訪れたが、再び宮里は1打差で涙を飲んだ。ヤニ・ツェンと首位タイで並んで迎えた最終日、悪天候に見舞われて3度もプレイが中断した。このブレークが結果的にはヤニ・ツェンに味方した。

 前半は宮里のペースだった。ショットが冴えてふたつスコアを伸ばした。一方のヤニ・ツェンは、8番でセカンドを池に入れるなどして1打後退。宮里が3打リードでサンデーバックナインに突入した。だが、10番でこの日2度目の中断。いいリズムで来た宮里の流れが止まってしまった。

「休みが入る度に、ヤニはリラックスしていくように感じられました。そういう意味では、彼女にとっては(中断の)タイミングが良かったのかもしれません。でも一番の敗因は、私が要所、要所でパットを決められなかったこと。だからヤニに負けたというより、私がチャンスを決められなかったという気持ちのほうが強いです」

 バックナインで5つのバーディーを奪ったヤニ・ツェンに対し、宮里は16番でバーディーを決めたのみ。最終18番、プレーオフへの望みをかけた8mのバーディーパットも、果敢に攻めながらボールはカップを無情に通り過ぎた。

 今季、ヤニ・ツェンはすでに2勝。圧倒的な飛距離を武器とし、メジャータイトルの最有力候補である。しかし宮里は、「(この試合でも)最後まで諦めていませんでした。勝つチャンスはありました」と、決してヤニ・ツェンには屈していない。

「昨季はこういうシチュエーションが1回もなかった。それが今季は、3回のうち2回もヤニと競った戦いができて、自分としてはすごく手応えを感じています。メジャーに向けてもいいイメージでやれているので、この調子でプレイを続けて行きたいと思います」

 開幕前、今季の目標について宮里は、「今年はメジャーチャンピオンになる。もうそれしかないです」と、きっぱりと語った。充実したオフを過ごし、そのための準備を重ねてきたからこそ、その姿からは大きな決意というか、これまでとは違った自信があふれていた。そして、今季メジャー初戦のクラフトナビスコ選手権(3月29日~4月1日)を2戦後に控えた今、その自信はさらに膨らんでいるように見えた。

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