【男子ゴルフ】「自分は攻撃的ではない」と告白した石川遼の成長 (3ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • 宮本 卓●撮影 photo by Miyamoto Taku

 そして3日目、課題だった「ムービング・サタデー」でもスコアを伸ばし、20位タイから11位タイに浮上。着実に進化している姿を見せた。

「土曜日というのは、自分にとって苦い経験の多い日。いちばん悔しかったのは、昨年のマスターズ。みんなが1段階、2段階とギアを入れ替えてプレイしている中で、自分だけが予選ラウンドと同じギアで戦っていた。その悔しさは今でも鮮明に覚えていますし、そのことは常に意識しています。そういう意味では今回、ムービングデーに求められているプレイはできたと思います。5つバーディーを奪えましたし、アグレッシブに攻められました。もう少し一か八かのプレイをしても良かったかな、と思う部分もありますが、順位も上げられましたし、3日目のプレイとしては良かったと思います」

 最終日も、後半10番、12番とボギーを叩いたあとは、このままズルズルと後退してしまいそうな雰囲気が漂った。しかし石川は、そこでも気持ちを切らさずに最後まで耐えるゴルフを披露。精神面での成長が垣間見られた。

「今週も緊張したし、プレッシャーを感じた場面もあった。つい、欲が出てしまうシーンも多々ありました。でも、そういうものを自分の中でうまくコントロールしてプレイすることができたと思います。これは、日本でもあまりできなかったことです」

 今季初戦のソニーオープンではあえなく予選落ちも、2戦目で飛躍的な進歩を見せた石川。もちろん「安定して予選通過できる実力があるかといえば、まだまだかな、と思う」と本人も自覚しているように、1試合だけで手放しに称えることはできないが、あらゆる面で成長の足跡を刻んだことは間違いない。一旦帰国後、3戦目のノーザントラストオープン(2月16日~19日)では、どんなプレイを見せてくれるのか、非常に楽しみになった。

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