【男子ゴルフ】石川遼が開幕戦で見せた揺るがぬ姿勢。「向上心を持っての予選落ち」 (2ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • 宮本 卓●撮影 photo by MIyamoto Taku

 ところが初日、インスタートの前半18番でイーグルを奪ってまずまずのスタートを切ったものの、後半になって練習ラウンドとは違う風向きに悩まされ、「自分に合っている」と話していたグリーン上で苦しんだ。

「試合では初めて回るコース。やはり(練習とは違って)ピンポジションなど、コース設定は難しかった。また、今日の風は経験したことがなかったので、クラブ選択をもう少し考えなければいけなかった。前半はすごくショットが良かったのに、後半はボールを置きにいってしまいました。あと、パッティングの調子はいいのに、『入った』と思ったものがいくつか決まらなかった。今日のゴルフでは、それがいちばん苦しかった」

 2日目は、ショットの安定性を欠いた。グリーンを外した前半5番でボギーを叩いてスコアを落とすと、7番でバーディーを奪うも8番ではティーショットを大きく左に曲げてボギー。9番ですぐに取り返しても、11番では3パットのボギーと、常にボギーが先行。終盤になってやっとリズムをつかみ、15番、18番とバーディーを奪うも、追い上げ虚(むな)しくカットラインには2打及ばなかった。

 ホールアウトすると、すかさず練習場に向かった。そして、開幕前と同様、日没まで懸命にボールを打ち続けた。その姿はまるで、思い描いた結果が出なかった悔しさをぶつけているかのように見えたが、石川から発せられる言葉はあくまでも前向きだった。

「悪かったところよりも、いいところがたくさんあったラウンドでした。十分にビッグスコアが出せる実感があって、最後まで予選通過を諦めていませんでした。決してどうにもならないような予選落ちではなかったと思っています。間違いなくショットは練習の成果が出てきていましたし、予選落ちという結果でしたが、内容のあるゴルフができました」

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