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久保建英、レアル・ソシエダ加入以来の正念場 移籍どころではない現地で燻る「批判」の正体

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 2025-26シーズン、レアル・ソシエダ(ラ・レアル)入団4年目になる久保建英は、かつてないほど賛否が分かれるシーズンを過ごしている。プレーレベルそのものは下がっていないが、久保の立場が変化したことはあるだろう。多くの主力選手が相次いで引退や移籍をするなかでエース格の選手となって、1年目とは比べものにならない「期待」がかかる。そのフィルターをどう通すか、で違いが出るのだ。

 スペインメディアと日本メディア(そして双方のファンも)でも、久保に対する評価は違っている。

 スペイン各紙は「エースとしてチームをけん引し、勝利に導けるか」を軸に久保を評価しているだけに、過去の貢献や才能は評価しながらも、今シーズンの"体たらく"について甘い論調にはならない。とりわけ、ラ・レアルの地元であるギプスコア県の地元紙は久保のパフォーマンスに不満を覚えている。目下のチームの不振により、「期待」が裏切られた気分になるのだろう。

前節ビジャレアル戦で今季初アシストを決めた久保建英(レアル・ソシエダ) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA前節ビジャレアル戦で今季初アシストを決めた久保建英(レアル・ソシエダ) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る「(ラ・レアルは)補強が必要」

 日本遠征の際に久保がそう発言した件は、今も影を落とす。これについては久保自身が謝罪したように、日本人が考えるよりも深刻な失言だった。補強の相次ぐ失敗は、まさに彼の言うとおりなのだが......。

 同時に、久保がケガで主力になりきれていないことが批判的見方を燻らせる。

「ラージョ・バジェカーノ戦で交代出場した試合は最低の出来で、敗戦の主犯だった」

 そこまで強く批判するクラブOBもいる。メディア以上に、オールドファンや関係者のなかに眉をひそめる人が増えているのだ。

 これには久保本人にも反論があるだろう。ケガをおして無理して出場し、チームのために働こうとしたにすぎないからだ。今季はこれまでBチームを率いていたセルヒオ・フランシスコが新たに監督に就任し、主力の入れ替えもあって戦いが安定していないだけで、チームの不振を久保ひとりに責任を転嫁すべきではない。ただ、プロ選手はピッチに立った以上、勝敗で評価が下されてしまうのだ。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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