旗手怜央がゴールやアシストが増えた理由を自己分析 「ちょっとした工夫で、見える景色やできるプレーは変わっていく」

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

旗手怜央の欧州フットボール日記 第15回  連載一覧>>

スコットランドのセルティックでプレーする旗手怜央が、初めての欧州サッカー、欧州生活で感じた、発見、刺激、体験を綴っていく連載。スコテッィシュリーグカップを制し、ここにきてゴールやアシストが増えるなど好調だが、自分のなかでちょっとした工夫があったという。その内容とは。

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スコテッィシュリーグカップで優勝に貢献した旗手怜央スコテッィシュリーグカップで優勝に貢献した旗手怜央この記事に関連する写真を見る

【カップ戦優勝に貢献できた】

 セルティックで今季ひとつ目のタイトルを手にすることができた。クラブの歴史にまたひとつトロフィーを加えられてうれしかった。

 また、これはおまけのようなものだと思っているけど、その試合でアシストという目に見える結果を残せたことで、より一層、優勝の喜びを噛みしめることができた。

 2月26日、スコティッシュリーグカップ決勝で、セルティックはレンジャーズに2-1で勝利し、連覇を達成した。昨季は、加入する前の12月に同大会の決勝戦が行なわれ、セルティックは優勝を決めていただけに、自分にとっては初のリーグカップ制覇になった。

 試合を振り返ると、44分に(古橋)亨梧くんが決めた先制点は、自分が起点になったことでゴールまで到達したと自負している。

 左ウイングを務める(前田)大然からパスを受けた時、マークする相手にうしろから当たられたが、そこでボールを失わず、踏ん張ってキープすることができた。この時、僕が単純にうしろにボールを下げてしまっていれば、何も起きなかっただろう。相手のプレッシャーに対して、粘ってターンし、前を向けたのが大きかったと思っている。

 そこからアーロン・ムーイに縦パスをつけたからこそ、ゴールにつながった。ムーイはオーバーラップしてきた左サイドバック(SB)のグレッグ・テイラーに展開し、亨梧くんがクロスに合わせてゴールを決めたからだ。

 2点目は56分に生まれた。その直前からチームはボールを保持し、相手陣内に押し込んでいた。左SBも中に入り、ビルドアップに参加していたため、自分はそのパス交換には関わらず、前にポジションを移して相手の間に立つことを意識していた。

 だから、キャプテンのカラム・マクレガーからムーイに縦パスが入った瞬間、攻撃のテンポが上がることも感知できた。パスが来ると思い、DFラインの裏に走った時、ゴール前では、誰かがニアに走り込んでくるのが見えた。その予測のもと、追いかけてくるDFが足を広げた瞬間、股を通してラストパスを送った。予測できたのは、ニアに走り込むのがチームの約束ごとでもあるからだった。

 好機を活かした亨梧くんはさすがだったが、自分もアシストという結果で優勝に貢献することができた。

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