堂安律は市場価値が爆上がり、鎌田大地は残留か否か。カタールW杯で活躍した日本代表ブンデス戦士8人、後半戦のポイントは?

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO

 異例の冬季開催となったカタールワールドカップが終了し、ドイツでは今週末にブンデスリーガ1部が再開される。中東の地で日の丸を身につけて戦った8人のサムライたちも、いよいよ"通常業務"に戻る。

 日本代表の主将としてワールドカップ全試合にフル出場したシャルケの吉田麻也は、クラブでも今季公式戦全17試合で先発し、16試合でフル出場。加入1年目ながら、キャプテンマークを身につけることも珍しくない。

W杯を経てフライブルクに戻ってきた堂安律W杯を経てフライブルクに戻ってきた堂安律この記事に関連する写真を見る しかしながら、チームは最下位に沈み、失点数もワースト2位の32と苦しい状況だ。また、吉田自身も直近に行なわれたブレーメンとの練習試合では、ドイツ代表FWニクラス・フュルクルクをフリーにするなど失点に直結するミスを犯している。

「(昨季シャルケに在籍していた)コウ・イタクラの穴を埋めることが期待された吉田だが、まだその任務は果たせていない」。ドイツ紙『ヴェルト』がそう論じたように、DFリーダーの吉田に厳しい目が向けられるのも仕方がないことかもしれない。

 ただし、マルチン・カミンスキ、セップ・ファンデンベルフ、レオ・グライムルらその他のCBはいずれも今季中に負傷離脱を余儀なくされており、連係の構築は簡単ではなかった。また、前半戦終盤で吉田とコンビを組んだヘニング・マトリチャーニは中央の経験が乏しく、そもそも2部所属だった昨季でさえ出場機会は少なかった。

「1年で2部に逆戻り」という悪夢を避けるためにも、まずは小さな成功体験を積み重ねていくしか道はない。経験豊富な吉田には、後半戦もチームを牽引する役割が求められる。

 ワールドカップのグループリーグ全試合にフル出場し、初戦のドイツ戦で逆転ゴールをアシストした板倉滉は、「(ボルシアMGには)やっぱりいい選手が多いから(定位置の確保については)常に勝負。毎試合いいプレーをしないと、すぐに代えられてしまう状況だと思っている」と謙虚さを貫くが、まるで長年在籍しているかのように、その存在感は際立つ。

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