元サッカー日本代表・岩本輝雄のカタールW杯の歩き方。各国サポーターとの交流や地元クラブの練習見学、砂漠ツアーと試合以外でも大忙し

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

元サッカー日本代表 岩本輝雄インタビュー 後編

前編「岩本輝雄が選ぶJリーグ歴代フリーキッカートップ10」>>

ベルマーレ平塚やベガルタ仙台などで活躍した、岩本輝雄氏のインタビュー後編は、現地観戦したカタールW杯について。持ち前のコミュニケーション能力を生かして、各国サポーターとの交流や地元クラブの練習見学、砂漠ツアーと試合以外でも大忙し。15試合観戦の大会の傾向も含めて、今回のW杯を語ってもらった。

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カタールW杯を現地観戦の岩本輝雄氏。カメルーンサポーターとの1枚(写真は本人提供)カタールW杯を現地観戦の岩本輝雄氏。カメルーンサポーターとの1枚(写真は本人提供)この記事に関連する写真を見る

【全国でテレビを入れたスクールを計画】

――岩本さんはタレント活動や解説業などされていましたが、最近はどのような活動をメインにされているんですか?

 解説はDAZNが始まってから2年ほどやっていましたけど、今はまったくやっていません。今のメインは全国各地でのサッカースクールですね。

 先日は京都、大阪でやって、今度は横浜でやります。2023年も4月までに8カ所でスクールをやる予定ですね。スポンサーも入っていて、全国いろんなところを回って教えています。

――精力的に全国を回っているんですね。

 将来的にはテレビを入れて、47都道府県でサッカースクールをやりたいと思っているんですよ。今は自分だけで教えているんですけど、各地の地元出身の元プロ選手をコーチに呼んで、一緒に指導してもらう。地元のスターに教えてもらったら、子どもたちも喜びますよね。

 それを来年の5月くらいから始めて、それがうまくいったらサッカーだけではなくて、いろんなジャンルのスポーツでやりたいと思っているんです。

【W杯は各国サポーターとの交流が最高】

――岩本さんはカタールW杯を現地で15試合も観戦されたそうですね。

 今大会は会場間の距離が近いし、キックオフ時間も13時、16時、19時、22時となっていてはしご観戦がしやすく、かなり堪能してきました。試合も面白かったんですが、個人的には試合以外のところも楽しみにしていて、とくにいろんな国の人とのコミュニケーションは、W杯の醍醐味のひとつだと思っています。

――今大会はひとつのところにたくさんの国が集まる形の特殊なケースだったので、よりいろんな出会いがありそうですね。

 カタールには100カ国以上の人が集まったと言われていて、それだけの国の人と話せる機会はそうないですよね。もちろん、全部は無理だけれど、コンパクトなエリアで開催されているカタールW杯ならではの魅力だったと思います。

――印象的なサポーターはいました?

 僕が泊まっていたホテルの朝食が、1食6000円くらいでものすごく高かったんですよ。だから近所で探していたら、近くの新しくできたホテルが1食2200円だったので、毎朝そこに通っていたんです。

 そのホテルにはカメルーンとか、アフリカ系のサポーターが泊まっていました。陽気な人たちだから仲良くなって、「エムボマ、エムボマ!」と言うとそれだけで喜んでくれて、一緒に写真も撮りましたね。

 それから僕はスペイン語が少しわかるので、メキシコ人とも仲良くなりました。僕はプロレスが好きなので、とくに仮面をつけた人たちとたくさん写真を撮っていたら、いろんな人たちが「日本よかったな!」と話しかけてくれました。「プロレスが好きだからよくメキシコにも行ってるんだ」と言ったら、「じゃあ今度一緒に行こう!」とWhatsAppで連絡先も交換しましたよ(笑)。

 コロナ禍で海外に行くのも3年ぶりだったので、僕もテンションが上がってしまって、試合以外の時間はそんなことばかりしていました。

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