久保建英、古橋亨梧、旗手怜央...欧州組が次々とゴール。日本代表よりクラブでのほうがいいのはなぜか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 9月の欧州遠征の2試合(アメリカ、エクアドル戦)を戦った日本代表の欧州組は、すでに所属クラブに戻ってプレーしている。

 鎌田大地(フランクフルト)はボランチで新境地を見出し、その類まれなサッカーセンスが完全開花しつつある。オリバー・グラスナー監督が、さまざまな選手を組み合わせ、攻撃的才能を引き出す手腕に長けているのも一因だろう。ゴールに近い中央で最大限に力を発揮する選手だが、レアル・マドリードのクロアチア代表ルカ・モドリッチのように、2列目、3列目でプレーリズム、選択を変えられるサッカーIQの高さは出色だ。

 伊東純也(ランス)も、ヨハン・クライフの薫陶を受けた「スペクタクル派」オスカル・ガルシア監督のもと、よりストライカー色の強い選手として目覚めつつある。トロワ戦では右サイドですばらしいアシストをし、ファーポストに入って得点まで決めた。直後、ラフなタックルで退場を宣告され、チームを窮地に追い込んだのはケチがついたが......。

 守田英正(スポルティング・リスボン)も、ルベン・アモリム監督の攻撃戦術で著しい成長を見せている。受け身のコンタクトプレーになると弱さは出るが、ボールを握る、もしくは握ろうとするチームにあって、そのテクニックやビジョンは欠かせない。ジウ・ヴィセンテ戦では高い位置にポジションを取って抜け目なくゴールを記録し、2点目も裏へのパスを引き出し、キープした後に絶妙なヒールでアシストするなど、プレーの幅が広がりつつある。

 堂安律(フライブルク)もマインツ戦に先発出場し、チームの2位浮上に貢献している。監督12年目になる名将クリスティアン・シュトライヒが作ったコレクティブなチームで、触発されるように攻撃センスをいかんなく発揮。一方でディフェンス面のタスクも安定し、今や「コンプリートな左利きアタッカー」に変貌を遂げつつある。

 また、セルティックの古橋亨梧と旗手怜央も、マザーウェル戦で力の差を見せつけた。古橋は数多くあったチャンスを少し外しすぎたとも言えるが、国内リーグ7得点目を記録。旗手はチャンピオンズリーグのシャフタール・ドネツク戦(記録はオウンゴール)に続くゴールで、これが決勝点になっている。アンジェ・ポステコグルー監督の"前輪駆動"の戦術において、欠かせないふたりになっている。

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