開幕直前のラ・リーガの注目ポイント。盤石のレアル・マドリードにバルセロナは食いつけるか。久保建英はレアル・ソシエダで活躍できる? (2ページ目)

  • 髙橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

クラブ史上初の6冠に挑むレアル・マドリード

 レアル・マドリードは昨季、7季ぶりに監督復帰したカルロ・アンチェロッティ指揮下でCL、リーガ、スペイン・スーパーカップの3冠を達成。今季の目標はクラブ史上初の6冠にほかならない。

 今夏、パリ・サンジェルマンFWのキリアン・エムバペ(フランス)獲得には失敗したが、CBや左サイドバック(SB)でプレーできるアントニオ・リュディガー(ドイツ)をフリー、カゼミーロ(ブラジル)のバックアップとして期待されるオーレリアン・チュアメニ(フランス)をクラブ史上4番目の移籍金8000万ユーロ(約112億円)+出来高ボーナス2000万ユーロ(約28億円)で補強し、戦力の上積みに成功している。

 7月8日からプレシーズンを開始。その後に実施したアメリカツアーの成績は1勝1分1敗4得点3失点。初戦のバルセロナとのクラシコは0-1で敗れたが、カリム・ベンゼマ(フランス)合流以降、調子を上げ、昨季のCL決勝リバプール戦と同じスタメンで臨んだ3試合目のユベントス戦は2-0で快勝した。

 また、鎌田大地や長谷部誠を擁する昨季のEL王者フランクフルトとのUEFAスーパーカップにも2-0で勝利し、順調な仕上がりを見せている。

 今季のレギュラーのベースは昨季のCL決勝と同じで、システムはいつもどおりの4-3-3。右ウイングのみ、フェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ)、ロドリゴ(ブラジル)、マルコ・アセンシオ(スペイン)と選択肢が多数ある。

 注目は昨季のCLとリーガで得点王に輝き、バロンドールの最有力候補に挙がるベンゼマと、得点力を大幅に向上させたヴィニシウス(ブラジル)。チームが今季も成功を収める上で、この2人の活躍は欠かせないだろう。

 唯一の不安材料はこれまで同様、ベンゼマのバックアップだ。アンチェロッティはこの問題に対し、エデン・アザール(ベルギー)の‟偽9番起用"をプレシーズンでテストした。アザールは今年3月に足首のプレート除去手術を受け、長年の痛みから解放されて復活を誓っている。

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