吉田麻也が「まさかのシャルケ」と言った意味。親友・内田篤人を遠いスタンドから眺めた憧れのクラブ (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

吉田麻也と内田篤人との違い

「(立ち上がりに点が入ったことが)一番よかったなと思いますね。後半の入りはちょっとよくなかったし、ああやって点差も開いてオーガナイズが難しくなったんですけど、後ろはゼロで抑えられたのはよかったですし、僕個人的にも90分プレーするのは今シーズン初めてだったので、よかったと思います」

 新加入としての初公式戦ながら、吉田はキャプテンマークを巻いた。だが、キャンプ中からすでにただの新人としての扱いではなかったと言う。

「キャンプの時からリーダーシップメンバーみたいなのに入って、そのあとに『第3キャプテン』と言われてたんで、キャプテンとなるダニー・ラッツァと副キャプテンのシモン・テロッデがケガしたことによって、そうなる(自身がキャプテンマークを巻く)だろうな、というのはありました」

 早くも信頼は感じているが、ここで気を引き締め直す。

「監督やチームメイトは、今までの僕のキャリアに対してリスペクトを払ってくれているというのはありますけど、大事なのはね、今とこれからなので。このシャルケでポジションを確立しなきゃいけないし、まわりを納得させられるパフォーマンスを出さなきゃいけないので、そういう意味ではプレッシャーも今日はありましたけど、ひとつ結果が出てホッとしています」

 そう言って胸をなでおろした。

 かつて吉田にとって、シャルケは憧れの存在だった。2011年から親友・内田篤人がプレーし、ブンデスリーガだけでなくチャンピオンズリーグなどで活躍した。

 ちょうど同時期、クルマで1時間もかからないオランダのフェンロで吉田はプレーしていた。オランダ1部だが、下位をさまようことも多かった。サッカーの質も、クラブの規模も、雲泥の差。当然、収入、スタジアム、ステイタスの違いは歴然としていた。

「同じ欧州組って言っても、ウッチーとは全然違いましたからね。いつもおごってもらったし」

 CLに出る内田を観戦しに行ったことも一度ではない。

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