守田英正は名門で先発奪取なるか。ポルトガルリーグの日本人8人それぞれの立ち位置 (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Carlos Rodrigues/Getty Images

田川亨介にチャンス到来

 その他の日本人選手のなかで注目したいのが、サンタ・クララの田川だろう。

 昨シーズンは途中加入ということもあって馴染むまでには時間を要したが、それでも12試合に出場。とくにシーズン終盤戦では5試合で先発し、3試合連続4ゴールをマークするなど、今シーズンにつながる活躍を見せている。

 しかも、今夏は昨シーズンのチーム内得点王クリサンが退団し、絶対的なストライカーも存在しないだけに、田川のスタメン奪取の可能性は十分にあるはず。ローン期限の来夏までに結果を残せるか、ステップアップ移籍を目指すためにも、今シーズンのパフォーマンスは極めて重要になる。

 過去の例を振り返ると、ポルトガルでプレーした日本人選手で順調にステップアップしたケースはほとんどない。おそらく最も実績を残した選手は現在ポルトに所属する中島になるが、その中島にしても、カタールへの移籍をきっかけに、思い描いていたようなキャリアを歩めていないのが実情だ。

 そういう意味で、昨シーズンは古巣ポルティモネンセで復調の兆しを見せた中島の新シーズンでのパフォーマンスも要注目だ。もちろん、新たにポルトガルリーグにチャレンジすることになったヴィトーリアの小川とジル・ヴィセンテの藤本、ボアヴィスタの渡井の活躍にも、大いに期待したい。

 彼ら8人が、ステップアップの場として広く認知されているポルトガルリーグで結果を残せるかどうかが、次の世代の可能性を広げることにつながる。

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