守田英正は名門で先発奪取なるか。ポルトガルリーグの日本人8人それぞれの立ち位置

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Carlos Rodrigues/Getty Images

そうそうたる守田のライバルたち

 たとえば昨シーズン、買い取りオプション付きのローン移籍でパリ・サンジェルマンに引き抜かれた左SBヌーノ・メンデスは、即レギュラーの座を奪って今夏の完全移籍が決定。昨シーズンまでボランチの主軸として活躍したポルトガル代表MFジョアン・パリーニャも、今夏の移籍マーケットでプレミアリーグのフラムへ羽ばたいていった。ちなみに、フラムがスポルティングに支払った移籍金は、2000万ユーロ(約27億5000万円)とされる。

 そのジョアン・パリーニャの代役候補が守田になるわけだが、もちろん、チーム内にはライバルが存在する。

 2019-20シーズンの途中から指揮を執るルベン・アモリム現監督が採用する基本布陣は、3-4-2-1(3-4-3)。ダブルボランチの筆頭株は、これまでジョアン・パリーニャとコンビを組んできた23歳のポルトガル代表MFマテウス・ヌネスになるはずだ。

 守田のライバル候補として挙げられるのが、マヌエル・ウガルテ(21歳)とダニエウ・ブラガンサ(23歳)の2人。加えて、昨シーズンはマジョルカでプレーしたアルゼンチン人MFロドリゴ・バッタリア(31歳)、アル・ラーイド(サウジアラビア)でプレーしたブラジル人MFエドゥアルド・エンヒキ(27歳)も現在はローンバック中。このまま残留となれば、ポジション争いの候補になるだろう。

 とりわけ、昨年ウルグアイ代表デビューも果たしたマヌエル・ウガルテは、株価上昇中の若手ボランチだ。昨シーズンはリーグ戦25試合に出場し、そのうち10試合でスタメンを張るなど、バックアッパーとして高い評価を集めた。

 スポルティングの日本人選手と言えば、2014年夏から約1年半にわたってプレーした田中順也(現FC岐阜)がいたが、激しいポジション争いのなかでレギュラーを勝ち取るには至らず、成功を手にできないまま退団を余儀なくされた。果たして、守田はポルトガルの名門でスタメンを奪えるか。カタールW杯が目前に迫るなか、その動向が注目される。

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