来日直前のPSGで深刻な問題。ネイマールは非難の的で移籍話が再燃、正念場を迎えた

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

PSG会長の発言に衝撃が走る

「もし私がネイマールだったらとても失望するだろう。環境も才能も技術も持っているのに、バロンドールをとれない。たぶん彼にはサッカー以上に大事なものがあるのだろう」

 これらの苦言に対して、ネイマールは「引退したジジイのたわごとはもう十分だ。5分で勝手に人の人生を語るな」などと反論。自分の勝ち取ったすべてのタイトルをSNSに載せ、「あ、これじゃあ本当に少なすぎる」と皮肉っている。

 かつてブラジルでは、ロマーリオも相当の問題児だったが、それぞれの所属チームでサポーターにこれほど嫌われることはなかった。それはピッチの上ではやることをやっていたからだ。しかしネイマールはそれがない。PSGが期待していたCL優勝も果たせないし、終わったばかりの昨シーズンはケガも多く、5試合のうちのおよそ2試合にしかプレーしていない。

 そんなネイマールへの逆風が吹くなかで、6月21日のフランス紙『ル・パリジャン』のインタビューで、PSGのアル・ケライフィ会長は「ネイマールは必要か?」と尋ねられると、一般論としてこう答えた。

「私が望むのは、チームを愛し、チームのために戦い、勝つのが好きな選手だ。来シーズンの目標は、毎日200%の仕事をすること。このユニホームのために全力を出してくれれば結果は見えてくる。我々は謙虚にならなければいけない。戦う気のない者は、チームからはじかれるだろう」

 彼は一度も「ネイマール」という名前を出しはしなかったが、それでも誰のことを指しているのかは予想がついた。ネイマールがこの夏の移籍市場に乗るのではないか、そういう噂がまたたくまに広まっていった。
(つづく)

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