バルサの獲得候補...レヴァンドフスキ、ロナウドなど大物の名前が挙がるが、内実は?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFP/AFLO

「クリスティアーノ・ロナウド、バルサの"テーブルの上に"!」
 
 スペイン大手スポーツ紙はいっせいにそんなニュースに沸いている。

 FCバルセロナのジョアン・ラポルタ会長が、ロナウドの代理人であるジョルジュ・メンデスと夕食をともにしたのは、会長本人も認めた事実である。ラポルタ会長は「誰に対しても門戸を閉ざしていない」と語り、獲得の噂については否定も肯定もしていない。移籍市場は虚々実々の駆け引きで、その情報を流すことでバイエルン・ミュンヘンのFWロベルト・レヴァンドフスキの獲得交渉を優位に動かす意図もあるのだろう。

 レアル・マドリードのエースとして君臨したロナウドが、バルサに移籍する可能性は低い。しかしロナウド本人が、所属するマンチェスター・ユナイテッド退団をほのめかし、プレシーズンのアジア遠征にも帯同せず、移籍濃厚なのは事実である。"万が一"はある状況だ。

 バルサは世界に話題を振りまいている。しかし、リーガ・エスパニョーラ開幕を約1カ月後に控えて、新シーズンの陣容が見えない。

バルサ残留か否かで交渉が長引いていたフランス代表ウスマン・デンベレバルサ残留か否かで交渉が長引いていたフランス代表ウスマン・デンベレこの記事に関連する写真を見る すでに7月4日、バルサはプレシーズンの日程をスタートしている。その時点で、めぼしい補強は発表できていなかった(ラシン・サンタンデールのMFパブロ・トーレは当面はバルサBでの登録となった)。その後、ACミランのコートジボワール代表MFフランク・ケシエ、チェルシーのデンマーク代表DFアンドレアス・クリステンセンのフリーでの獲得をようやく発表した。だが......。

 そもそも、人員整理ができていない。

 マルティン・ブライスワイト、クレマン・ラングレ、サミュエル・ユムティティ、オスカル・ミンゲサ、リキ・プッチ、ネトなどは、すでに構想外を言い渡されているにもかかわらず、いずれも残留を希望している。高給取りだけに、引き取り先は少ない。さらにミラレム・ピャニッチ、フランシスコ・トリンカンというレンタルバック組も構想外で、新チームを探さないといけない状況だ。

「非常口」

 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、バルサの選手編成が"渋滞している"様子をやや皮肉っぽく伝えている。

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