森保ジャパンとチーム作りで大きな開き。W杯初戦のドイツは現在13戦無敗でさらに進化中 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

ドイツはW杯優勝候補かも

 フリック体制になってからのドイツは、ハイプレスを基本に、ボールを奪ってから縦に速い攻撃を見せる一方、敵陣でボールを保持する時は幅を広くとって遅攻からゴールを攻略。わかりやすく言えば、フリック監督がバイエルンを率いていた時代のサッカーだ。

 第4節イタリア戦では、敵陣でのポゼッションからCBニコラス・ズーレのフィードをきっかけに、最後はSBダヴィド・ラウムのクロスをゴール前に飛び込んだMFヨシュア・キミッヒがフィニッシュ。そのほか、自陣でボールを奪ってからの速攻で好機を作れば、高い位置でボールを奪ってからの鋭いショートカウンターありと、多彩な攻撃で前半からゲームを支配した。

 また、4−0でリードしていた69分には、相手GKにFWティモ・ヴェルナーが猛烈なプレスを仕掛けると、焦ったジャンルイジ・ドンナルンマがミスパス。それに反応したFWセルジュ・ニャブリのインターセプトからヴェルナーが5点目を奪うなど、ことごとく自分たちの目指すスタイルがハマってゴールネットを揺らすことに成功している。

「今日はとても高い位置で守備ができ、セカンドボールを多く獲得したことで試合が楽に進められた。ボールを失うリスクを受け入れ、いいプレッシングから意図的にチャンスを作り出すこともできた。まだ課題があるのは確かだが、それらを克服することができれば、誰も我々を倒すことはできないだろう」

 イタリア戦を勝利で終えたFWトーマス・ミュラーがそう振り返ったように、この試合のドイツはW杯優勝候補に名乗りをあげてもおかしくないレベルのパフォーマンスだった。たしかに2失点はいただけないが、5−0とリードしたあとに主力をベンチに下げた時間帯の出来事だっただけに、それほど大きな問題にはならないだろう。

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