旗手怜央が明かすセルティックのリーグ優勝。「大合唱、花火、発煙筒...圧巻の光景」に欧州でのプレーを実感

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

どんちゃん騒ぎに驚いた

 それでも自分がチームに加入した時、セルティックはライバルのレジャーズを追いかける2位につけていた。

 スコティッシュカップでは準決勝で敗れたように、ライバルであるレンジャーズとのダービーマッチは、どれもが紙一重の接戦で、相手の強さを感じたし、順位をひっくり返されそうになる場面は幾つもあった。

 2-1で勝利した第32節、1-1で引き分けた第35節もしかりだ。首位に立ってからも、そうしたポイントとなる試合を、チームとして耐えきってつかんだリーグ優勝だった。

 加えて、自分が初出場した1月17日のハイバーニアン戦からチームはリーグ戦無敗。結果を振り返ると、一緒に戦った期間は半分だったかもしれないけど、少しはチームに貢献できたかな、という達成感と安堵感を抱くことができた。

 優勝を決めたダンディー・ユナイテッド戦はアウェーだったにもかかわらず、スタンドの半分近くはセルティックのファンで埋まっていた。

 フロンターレで経験した2度のリーグ優勝はコロナ禍だったこともあり、セルティックのファンが目の前で歓喜する姿と、僕らを讃えてくれたチャントの力強さや野太さに圧倒された。

 また、チームメートが喜ぶテンションの高さにも驚かされた。ピッチ上でファン・サポーターと喜ぶ時よりも、ロッカールームに戻ってから、その喜びを爆発させていた。シャンパンをまき散らし、大声で歌って踊りまくる。まさにどんちゃん騒ぎという表現がピッタリだった。

 僕ももちろんその輪に入り、一緒になって優勝の喜びに浸ったけど、クールダウンすることは忘れなかったから、ほかのチームメートたちよりかは冷静だったように思う。

 ファンの熱狂ぶりに驚いたのは、そのあとだった。

 ダンディー・ユナイテッド戦はアウェーだったため、試合を終えた僕らはチームバスに乗り、ホームのセルティックパークに戻った。すると、そこに大勢のファンが待っていてくれた。

 バスが到着すると大合唱。花火を上げる人もいれば、緑色の発煙筒を焚いている人もいた。その人数の多さと圧巻の光景に、自分がヨーロッパでプレーしていることを改めて実感させてもらった。

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