母国を追われたハカン・シュクル、うつ病を告白のドノバン...2002年の人気者たちはいま

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • photo by AFLO

いまもイケメンのイルハン

 そんなイルハンに転機が訪れたのは「ダンス・オン・アイス」というアイスダンスのリアリティ番組に参加してからだ。彼はスロバキアのオルガ・ベシュテンディゴヴァーとペアを組み、見事に優勝。スケーターへの転身を決意する。2014年のソチオリンピックを目指し、2013年には五輪出場権をかけてドイツの大会に出場。しかし19位に終わり、夢はついえた。ちなみにペアの相手のオルガとは公私ともにつき合っていた。

 2018-19シーズン、彼は突如サッカー界に戻り、元スペイン代表のグティとともに古巣ベシクタシュのコーチとなる。香川真司が入団した際も、温かく迎えていた。ベシクタシュが給料をなかなか払ってくれないことから、2019年2月に辞任。ただ、将来的には「ベシクタシュのオーナーになってもいい」と言っている。

 現在は46歳だが「体を保つことには気を使っている」と言うだけあって、インスタを見るといまでも十分イケメンだ。ドイツ人の女性との間に一女がいる。

アン・ジョンファン(韓国)

 共同開催国の韓国は史上最高の4位となったが、その韓国にもイケメンぶりが騒がれる選手がいた。アン・ジョンファンだ。韓国では漫画『キャンディ・キャンディ』の登場人物に似ていると「テリウス」と呼ばれていた。

 イタリア戦で決勝ゴールを決めた彼だが、当時所属していたペルージャのルチアーノ・ガウチ会長から、「イタリアに仇なす選手はいらない」と言って切られたとも言われている。その後は清水エスパルス、横浜F・マリノスでプレーした後、またヨーロッパにも渡ったがうまくいかず、韓国に戻った。

 水原三星に所属している時には、相手サポーターのヤジに激怒し、ピッチを出てスタンドに殴り込んだため、出場停止処分と当時の韓国史上一番高い罰金を払わせられたということもあった。キャリアの最後は中国の大連実徳でプレーし2012年に引退した。

 引退後はKリーグの広報に就任。「名誉PRチームリーダー」という肩書で、その人気を利用してKリーグにファンを呼び入れようという宣伝塔の役目だった。彼は多くの試合やイベントに顔を出し、リーグのメジャー化を図り、Kリーグが期待した以上の効果をあげた。韓国では、引退後のコーチや監督以外の別な道も切り開いた人物のひとりと言われている。

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