ラ・リーガのベストイレブンをスペイン人記者が厳選。「天賦の才能」「バロンドール級」の活躍をした選手は? (2ページ目)

  • マリオ・コルテガナ●文 text by Mario Cortegana
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

チームの中心として活躍

MF/ダニエル・パレホ(ビジャレアル/スペイン)

 パレホは33歳にして、まだまだ成長できると証明してみせた。ウナイ・エメリ監督に、今季とくに多く起用された選手のひとりとなり、チームの中心的な役割を果たした。

 ボランチの位置から巧みなゲームメイクを見せただけでなく、積極的に高い位置でもプレーし、敵陣でのパスがリーガで4番目に多い選手になったのは評価に値する。

 パレホがリーガ開幕からの3試合を欠場し、チームがそのすべてで引き分けに終わったことは、彼の重要性を示す一例となっている。

 またビジャレアルが今季、レアル・マドリードやアトレティコ・マドリード相手にリーガで一度も負けなかったことや、CLでベスト4まで進出したことは、パレホのベテランとしての経験が大きく影響した。

MF/ナビル・フェキル(ベティス/フランス)

 今季、ヨーロッパリーグでサポーターに夢を与え、コパ・デル・レイに優勝し、さらにCL出場権獲得まであと一歩というところまで迫ったベティスの勇姿は、今後も長く記憶されるはずだ。そしてその成功を収めた最大の要因は、フェキルの存在だろう。

 柔軟さと力強さを兼ね備え、安定したパフォーマンスでチームの大黒柱となり、マヌエル・ペジェグリーニ監督の絶大な信頼を得ていた。

 被ファール数がトップ、デュエル勝利数、クロス成功数がそれぞれ2位と、リーガ最高峰の攻撃的MFと言っても過言ではない。シーズンを通じて相手チームにとって大きな脅威となっていた。

FW/イアゴ・アスパス(セルタ/スペイン)

 イアゴ・アスパスはベテランらしくシーズンを通じてすばらしい決定力を発揮し続け、18ゴールでリーガのスペイン人得点王に贈られるサラ賞を獲得。今回が4度目の受賞で、ダビド・ビジャ(元バレンシア、バルセロナなど)の最多記録に並んだ。

 攻撃のどんなポジションにも、どんな試合のシナリオにも適応できるワイルドカードである。

 ペナルティーエリア内でゴールへの嗅覚を発揮するだけでなく、ボールを受けるために中盤まで下がって攻撃を組み立て、サイドから縦に深いところまで進入してアシストも記録した。

 セルタのレジェンド、アレクサンドル・モストボイ(ロシア)が以前、クラブ史上最高の選手としてイアゴ・アスパスを指名したことは何の不思議もない。

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