大注目のCL決勝はどんな戦いになるのか。リバプールとレアル・マドリードの強みと弱みを識者3人が解説

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CL決勝プレビュー鼎談 前編

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。
 今季も欧州サッカーを追いかけてきた経験豊富な識者3人が、間近に迫ったチャンピオンズリーグ(CL)の決勝の見どころを語ります。

――今回は、5月28日(現地時間)に開催される今季のチャンピオンズリーグ決勝戦をお三方に展望していただきたいと思います。今回は、過去6回のCL優勝を誇るイングランドのリバプールと、過去CL優勝13回を誇るスペインのレアル・マドリードの対決になります。みなさんがどのように見ているか、お話しを進めて下さい。

リバプールのサラー(左)とレアル・マドリードのベンゼマ(右)リバプールのサラー(左)とレアル・マドリードのベンゼマ(右)この記事に関連する写真を見る

予想を覆した決勝カード

倉敷 まず今回の決勝戦は、歴史的な視点から見てもたいへん興味深いカードになったと思いますが、おふたりはどのような印象を持っていますか?

中山 どちらも伝統があり、CL優勝経験のあるチーム同士ですね。しかも、今季の決勝戦はイングランド勢対決になるという予想が多かったなか、レアル・マドリードが勝ち上がったことで、ヨーロッパで1、2を争うリーグ同士の対決になりました。いろいろな興味が沸く対決になり、日本のサッカーファンも、きっとワクワクしていると思います。

小澤 中山さんが言ったように、おそらくシーズン平均で見た場合、決勝はプレミアリーグ同士の対決、つまりリバプール対マンチェスター・シティが順当だったのだと思います。でも、その予想を覆してマドリードが勝ち上がったことで、世界中の注目を浴びるような対戦になりました。

 とくにレアル・マドリードは、カルロ・アンチェロッティ監督が中盤の3人(カゼミーロ、ルカ・モドリッチ、トニ・クロース)をベースにしながらメンバーを固定化したチーム作りをしてきて、一部から「ベテランが多すぎる」「世代交代ができていない」といった声もあがっていたなかで、それでも決勝まで勝ち進むことができました。これは、クラブにとっても偉業だと思います。

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