今季、欧州で最も活躍した日本人選手は誰だ。MVPは満票で鎌田大地に (3ページ目)

  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

遠藤航の驚異的なタフネス

期待以上のブレイクを果たした伊藤洋輝
浅田真樹

 冨安健洋、久保建英ら、レベルが高いリーグでプレーしている選手のケガによる戦線離脱が続いたシーズンだった。また、南野拓実は世界最強クラスのチームに所属しているとはいえ、いかにも出場機会が少なく、堂安律にしても、シーズン終盤は顕著な活躍を見せたが、1シーズンフルに働いたとは言い難い。

 その一方で、伊藤洋輝、奥川雅也、林大地らが、今後のステップアップを期待させた。所属リーグのレベルに違いはあるにしても、新顔の活躍は価値が高くなる。

伊藤洋輝(シュツットガルト)

 東京五輪世代で、当初はボランチとして中心選手となる期待があったものの、結果的に本大会出場は叶わず、日本では伸び悩んでいる印象があった。だが、現時点でのJラストシーズンとなった2021年、ジュビロ磐田で3バックの左DFを務めるようになると、ようやく自身の居場所を見つけた感があった。シュツットガルト移籍後も(3バックにせよ、4バックにせよ)DFとして才能を開花させている。サプライズ的なブレイクという意味では、今季海外組のなかでベストの選手ではないだろうか。

伊東純也(ゲンク)

 優勝を狙うチームのなかで明らかに攻撃の中心的役割を担っており、フィニッシャーとしてもチャンスメーカーとしても、年々、存在感は増している。昨季に続いての二桁ゴールはならなかったが、右サイドからドリブルで持ち込み、相手DFとの間にうまく間合いを作って右足で放つシュートには磨きがかかった印象だ。しょせんはベルギーリーグ、という見方もあるだろうが、リーグ戦をこなしながら日本代表戦でもフル稼働し、あれだけの活躍をしたことも含めて、称賛に値する。

遠藤航(シュツットガルト)

 インサイドMFとして新境地を切り開き、キャプテンも務めた。チーム成績は芳しくなく、ギリギリでの1部残留となったが、遠藤個人の貢献度は極めて高かった。また、昨季からA代表と五輪代表をかけ持ちし、シーズンオフの十分な休息もままならぬままに今季に突入したため、ケガやコンディション不良の不安もあったが、終わってみれば1シーズンフル稼働。驚異的なタフさには感服する一方で、いずれどこかでパンクしてしまうのではないかとの心配もある。

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