「『鎌田はできない』の声をやっと見返すことができた」。EL優勝で号泣の鎌田大地が赤裸々に語ったサッカー人生 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 すごく名前のあるクラブや調子のいいクラブを倒して、ヨーロッパリーグに関してすべてがうまくいっているという感覚です。ただ、『ここまで来ても、2位のチームなんて結局1年後には誰も覚えていない、1位をとらないと本当に意味がない。優勝しよう』と、よく話していました」

 自分の5得点について問われても、話題をチームにずらしながら答えていたのが鎌田らしかった。

 これだけの結果を出せば、やはり日本代表への招集に期待が高まるのは無理からぬことだろう。

「選ばれたら頑張りますし、選ばれなかったら選ばれなかっただけという感覚なので。僕自身は、フランクフルトクラス、もしくはこれ以上のクラスでプレーしている日本人は2、3人しかいないと思っていて、代表に選ばれて当然の環境でプレーはしてると思う。

 僕自身はやれることはやってるので、別にこれで選ばれなかったらといって、特に何も考える必要はないし、選ばれた時に頑張るだけかなと。自分で決められることでもないですし。給料はフランクフルトからもらっていて、代表は誇りとプライドで戦うような場所。だからこそクラブで結果を残していきたいと思います」
 
 優勝セレモニーが終わっても、ピッチではサポーターも選手も喜びに浸っていた。一夜明けると、フランクフルト市内ではパレードが予定されているという。クラブにとっても、街にとっても、そしてファンをはじめとする一般の市民にとっても、大きな価値がある優勝だったことを、あらためて思い知らされた。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る