メッシ、ネイマール、エムバペ...奇跡のトリオは見納め? カタール首長激怒でPSG新銀河系軍団は解体か (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

エムバペの母親が会長と交渉

 そして最大の注目となっているのが、今年6月で契約が満了するエムバペの移籍問題である。実際のところ、来シーズンに向けたチーム編成は、そこがクリアにならないかぎり何も進まないというのが実情だ。

 昨夏に移籍志願したものの、クラブがそれを認めず契約最終年を過ごしてきたエムバペ。当初はCLラウンド16のレアル・マドリード戦後に、何らかの動きがあると見られていた。

 ところが、周囲の予想に反してレアル・マドリードとエムバペ側の移籍交渉は進んでいないようだ。当の本人も、第30節のロリアン戦後に「まだ決めていない。誤った選択をしたくないので、時間をかけて考えたい」と明言している。

 4月下旬には、エムバペの代理人を兼ねる母ファイザがカタールでアル=ヘライフィー会長と会談し、残留する場合の新規契約条件などを話し合ったという。

 PSG側が提示したのは、2年契約プラス1年オプション。今年の冬に開催されるカタールW杯までは、是が非でもエムバペに残ってほしいというスタンスを崩しておらず、そのためにはエムバペの肖像権をすべて本人側に譲り、チーム最高年俸を支払う構えだ。

 仮にエムバペが残留を選択するなら、お金以上にポイントになるのは、契約年数と契約解除の条件だろう。その意味では、今回PSGが提示した契約年数は現実的に見える。

 今後は、PSGの条件を吟味したうえで、エムバペ側が本命レアル・マドリードとの交渉に臨む段取りになるはずだ。

 果たして、マドリードでどんな話し合いが行なわれるのか。今夏のフリー加入になるのか、それとも来夏の加入条件の調整を行なうのか。あるいは交渉が決裂した場合は、第3のクラブが登場する可能性もゼロとは言えない。

 今シーズン終了後、いよいよ"エムバペ狂想曲"が本格的に幕を開ける。

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