香川真司が語る、自身のポジションの最適解。「みんな10番をイメージしがちだけど、8番が一番合っている」 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 そもそもチームは2月から負けなしの状態が続いていましたから、スタメンを変更する要素もなかったですしね。チームが勝っている以上、僕自身もそれを理解していたので、とにかく高まる気持ちを抑えながら、そのチャンスとタイミングを待つということを自分自身に言い聞かせながら、日々取り組んでいました」

---- プレーオフ出場権がかかった大事な試合で、貴重な先制点をアシストしました。アタッカーとして数字を残せたことについては、どう感じていますか?

「もちろん、数字を残せるに越したことはないですし、それは自分のなかでも毎試合こだわってやっていることですから。とはいえ、途中出場という限られた時間のなかで数字を残すことは簡単ではなくて、逆にスタメンで出られれば出場時間が増えるので、そうなれば必然的にその確率が上がるとは考えていました。

 そういう意味でも、あの試合でアシストを決めてしっかり結果を残せたことについては、とてもよかったと思っています」

---- アシストを決めた場面ですが、自陣でフリーの状態でボールを受けてから、前線にロングパスを送るまでの時間がとても短かった。ドリブルで前進することもできたなか、あのタイミングでパスを出せたということは、自分のなかで狙いとして持っていたということですか?

「そうですね。チームとしても、常にボールを奪ったら速く前へ、裏へというスタイルで、それがこのチームのストロングポイントでもありますから。あとは(原)大智が本当にいい動き出しをして、相手の逆を突いてくれたのが大きいですね。

 自分にもそれは目に入っていて、明らかに裏のスペースが空いていたので。お互いの意思とタイミング、それとパスとトラップの精度が見事に合致した、すばらしいゴールだったと思います」

---- ああいった美しいゴールをアシストする喜びというのは、ゴールを決めた時とは違う喜びがあるものですか?

「もちろん、ゴールに直結するアシストを決めることはうれしいです。でも、やっぱりゴールに勝る喜びはないですよ(笑)」

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