堂安律のパフォーマンスが極上すぎる。日本人初のKNVBカップ優勝にオランダメディアも「水を得た魚のよう」と絶賛 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

堂安がPSVに欠かせない理由

 今季の堂安は、オランダリーグ第29節を終えた時点で20試合に出場し、そのうち13試合に先発している。東京五輪で合流が遅れたこと、2度の負傷があったこと、直近のRKC戦では風邪により招集外になったことに加え、FWノニ・マドゥエケやMFジョイ・フェールマンとポジションを競い、レギュラー定着までには至らなかった。

 しかし、心配御無用。堂安は先発だろうと途中出場だろうと関係なく、プレーに集中してシーズンを過ごしてきた。とりわけ絶好調だった11月〜12月は、技術やオフ・ザ・ボールの動きなど、ゴールにつながるプレーの数々を披露し、毎週のようにメディアでトピックに上がっていた。

『獲得失敗の烙印から突然、堂安はPSVにエキストラをもたらすアタッカーに』

 このようなタイトルでオランダの公共テレビ局『NOS』が行なった堂安のインタビューも興味深かった。

---- 「真の堂安律」を示せたのは、いつですか?

「たとえば、シーズン前半のAZ戦です。(堂安の強烈なミドルシュートのゴールの映像が流れ、実況が「昨季は(ビーレフェルトに)レンタルされた堂安がPSVに戻ってくるとは誰も思っていませんでした!」と叫ぶ)。

 ドイツはいい思い出ばかりです。ビーレフェルトはいいチームで、周囲の人にも恵まれました。PSVでの最初のシーズンは大変厳しいものでしたが、ビーレフェルトでプレーすることによって、僕は新たな自信を手に入れたのです」

---- ビーレフェルトは堂安選手を買い取ろうとしましたが、500万ユーロの移籍金を払うことができませんでした。その後、PSVに戻ってきた堂安はシュミット監督といい話し合いができたそうですね。

「今季のPSVがなぜ僕の力を必要とするのか、監督はしっかり説明してくれた。それはプレースタイルの違い。ガクポ、マドゥエケ、ブルマは皆ドリブラーだが、僕はドリブルだけでなくチャンスを作り出すこともできるし、ラインの間でボールを受けることもできるタイプなので、ほかの選手と特徴が異なる。監督はさらにディテールも説明してくれた。それは僕にとって、とても重要でした」

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