カタールW杯が楽しみなタレント軍団ポルトガル。プレーオフで決めたボール奪取→カウンターが見事 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
複数のコースを消し、中央へのパスをブルーノ・フェルナンデスがカットした

 S・リストフスキがB・シウバにプレスを受けた時、後ろのダルコ・ヴェルコフスキはC・ロナウドにマークされ、ボールを戻す先は中央のアリヤン・アデミかヴィサル・ムスリウ、あるいは浮き球でGKに戻すしか選択肢がなかった。

中央へ出されたパスをブルーノ・フェルナンデスがカット。カウンターからゴールを決めた中央へ出されたパスをブルーノ・フェルナンデスがカット。カウンターからゴールを決めたこの記事に関連する写真を見る ポルトガルは、この時すでに帰陣が完了し、B・シウバがいたエリアには、ディオゴ・ジョタがカバーに入ってきていて、全体で再び前へプレスに行く準備が整っていた。このトランジションの質が、一つポイントである。

 S・リストフスキに対してムスリウはパスを呼び込んでいたが、アデミはボールを受ける気がなく、ムスリウへパスが行くものと思っていただろう。

 しかし、S・リストフスキはアデミが手前へ受けに来てくれることを想定していたはずだ。ムスリウへのパスコースはC・ロナウドがカバーできる範囲で、確実に通すためには浮き球である必要があったからだ。

 ただ、アデミへのコースもジョタが手前に立っていたため、アデミに寄ってきて受けてもらわないとカットされる可能性はあっただろう。

 S・リストフスキは瞬間的に悩んだ末、中途半端な浮き球のパスを出してしまった。

 そこにブルーノ・フェルナンデスが寄せ、ズレたパスをカット。C・ロナウドとのパス交換からカウンターを決め、先制点となった。

 北マケドニアの手痛いミスではあるが、それを誘発したのはポルトガルの守備である。攻から守、そして守から攻のトランジションが見事だった。

◆【動画】カタールW杯欧州予選プレーオフ ポルトガルvs北マケドニア ハイライト
(ポルトガルの先制シーンは1分58秒~2分48秒)

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