日本代表はゼロ。CL決勝トーナメントの舞台に立った選手が最も多い国は? (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

久保建英の元同僚たちが躍動

 イタリア勢全体にも同じことが言える。ミラン、アタランタはグループリーグ落ち。ユベントスとともにベスト16入りしたインテルも、リバプールに完敗した。ベスト8の内訳は、イングランド、スペインがそれぞれ3、ポルトガル、ドイツがそれぞれ1。UEFAリーグランキングで、イングランド、スペインに次いで3位につけるイタリアにとって、これはいささか残念な結果と言わざるを得ない。ユベントスならびにイタリアのこれからに注目したい。

 ビジャレアルといえば、日本人には2020-21シーズンの前半、久保建英が在籍していたクラブとして知られている。2019-20シーズンにスペインに渡り、レアル・マドリードのレンタル選手としてまずマジョルカでプレーした久保。その翌シーズン、同じくレンタルとはいえ、ビジャレアルでプレーすることは選手としての格が上がったことを意味した。

 そのシーズン、ヨーロッパリーグに臨んだビジャレアルは快進撃を続け、見事優勝を遂げる。だが、シーズン前半でチームを去った久保はその美酒を味わうことができなかった。その後、ヘタフェ、マジョルカとレンタル移籍をくり返す久保に対し、ビジャレアルは今季、CL本大会に出場。ユベントスを破りベスト8入りしたことで、久保にとっていっそう敷居の高いクラブになった。

 1シーズン前、ビジャレアルで久保とポジションを争い、勝利した格好のサミュエル・チュクウェゼ(ナイジェリア代表)は、ビジャレアルで今季も出場機会を確実に得ている。ナイジェリアは、日本がW杯ベスト8を目標に据えるのなら、ライバルのような存在だ。久保がチュクウェゼに遅れをとる姿は、代表チーム強化という観点からも好ましくない。

 そして、第1戦を2-2で折り返したアヤックス対ベンフィカは、終始押し気味だったアヤックスが、後半32分、ダルウィン・ヌネスにゴールを許し、まさかの敗退を喫した。下馬評で優勢が伝えられていたアヤックスは、攻撃が慎重になりすぎてしまった。強者を相手に戦うと強さを発揮するが、同等以下だと「負けられない戦い」に陥り、チャレンジャー精神を失う。好チームが陥りがちな呪縛にハマるパターンを演じてしまった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る