【旗手怜央・新連載】「セルティックの一員になれた」と感じた瞬間。自ら解説する現地でのプレー (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

プレースピードが速い!

 光栄にもデビューした1月17日のハイバーニアン戦(第21節)でマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選んでもらった。得点やアシストという目に見える結果を残したわけでもないのに、MOMに選んでもらい、セルティックのファン・サポーターは、結果だけでなく、サッカーそのものを見てくれていると感じた。

 そうした背景もあり、自分がチームにすぐにフィットしたと見ている人もいるかもしれない。でも、自分の肌感覚としては、練習に参加してからしばらくは、ついていくだけで精一杯。戸惑いというか、正直、苦痛でしかなかった(苦笑)。

 何に違いを感じたか。プレースピードがとにかく速かった。加えてピッチコンディションも日本と比べれば、かなりぐちょぐちょ。そうしたピッチ環境で、プレーの速さやタックルの鋭さや深さも大きく異なっていただけに、まずはサッカー文化と環境という2つの違いに慣れなければと考えた。

 日本でもDAZNで試合を見られる機会があるため、セルティックのサッカーについて知っている人もいるかもしれない。アンジェ・ポステコグルー監督は縦に速いサッカーを標榜している。

 そのため、何事においてもスピードが問われる。相手よりも先に動くのは当たり前。それこそセットプレーでも可能な限り素早くリスタートすることを求められている。擬音で表現すれば「パンパンパン」みたいな。それくらい感覚としては速さにこだわっている。

 個人的には、プレーの緩急を意識していたこともあり、当初は状況に応じてゆっくりとプレーしてもいいのかなと思うところもあった。だけど、自分が少し中盤でタメようものなら、みんな前に上がっていってしまい、自分の周りに誰も味方がいないといった状況もあった。

 練習から戸惑いを感じるなかで思い出したのは、川崎フロンターレの練習に初めて参加したときのこと。あのときは周りの技術の高さに驚き、自分は相当がんばらなければいけないなと思い知らされた。

 ただ、当時とは異なる自分の変化としては、プレースピードについては速さに慣れ、うまく対応していけば、自分らしさを出せるのではないかと感じられるようになったこと。

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