中山雄太はサイドバック、センターバック、リベロにも即適応。「フォワードをやれと言われたら、やれる自信はある」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

【1試合で3つのポジション】

 ぶっつけ本番のフェイエノールト戦では、中山のパフォーマンスも決して高かったわけではなかった。だが、スタンドから見ていて新ポジション(3センターシステムの左)の適性を感じとることもできた。

 このポジションは、ピッチの上で起こっている現象によってセンターバック、左サイドバック、ミッドフィルダーと目まぐるしく振る舞いを変えることができる。「もしかすると、"3センターバックシステムの左"が中山にとって最適のポジションかな」と私は思っていた。

 しかしスフローダー監督は、さらなる中山のコンバートを練っていた。11月27日のRKC戦(0−0)から、中山はリベロに定着したのだ。

 3センターバックシステムの中央をオリジナルポジションとして取りながら、最終ラインからのビルドアップ時には真っ直ぐに一列上がって、アンカーの位置に陣取る。さらに敵陣にスペースがあるのを見つけると、彼はスルスルと右へ左へと上がっていき、ワンツーやドリブルを試みながらアタッキングサードへ姿を現す。守備面でも、より自らイニシアチブをとって味方を動かし、陣形を整える意思が強く感じられるようになった。

 中山はフェイエノールト戦、RKC戦と続けて歯を折るアクシデントに見舞われたため、直接話を聞くことができたのはスフローダー体制になって4試合目、"リベロ中山"が誕生してから3試合目のフォルトゥナ戦(12月11日/0−1)後だった。「新しいポジション、リベロはどうですか?」と聞いた。

「楽しいですよ。しかも、攻撃に関してはけっこう自由ですし。オランダに来てから初めてのポジションでもあるので、楽しみながらチャレンジできています。今日の試合では3つのポジションをやりました」

「3つのポジション」とはリベロ(5バックシステム)、左サイドバック(4バックシステム)、ボランチを指す。彼の言葉が興味深かったので、ここからは一問一答形式で紹介しよう。

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