アトレティコ・マドリードは不調脱出か。ポジショナルプレーで奪った秀逸なゴール

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer
ルマールにパスを出し、左サイドで数的優位を作って崩した

 セットプレーから素早いリスタートでボールを受けたコンドグビアに対して、アトレティコの前の選手のポジショニングがポイントとなった。

コンドグビアはルマールへのパスを選択。左サイドで数的優位を作って相手を崩したコンドグビアはルマールへのパスを選択。左サイドで数的優位を作って相手を崩したこの記事に関連する写真を見る フリーでボールを運ぶコンドグビアには、左サイドに開いたロディ、相手選手たちの間にポジションを取るルマールとコレアという3つのパスコースがあった。

 それに対してラージョのアンドレス・マルティンとオスカル・バレンティンは、それぞれ2人分のパスコースをケアしながらのポジショニングとなり、中途半端な対応にならざるを得なかった。

 特にマルティンは、ロディへのコースを意識してやや高いポジションを取っていたため、ルマールの横にはスペースができていた。コンドグビアはそこを逃さず、ルマールの足元へパスを送る。

 パスを受けたルマールは、ワンタッチで反転して縦に持ち出し、相手の中盤のラインを突破した。センターバックのところにはルイス・スアレスがいるため、ラージョは進入してくるルマールに対し、右サイドバックのイバン・バリウが中に絞って対応しなければいけなかった。

 しかし、大外にはロディがオーバーラップで駆け上がっている。そこでルマールはバリウを十分引きつけてロディへパスを出し、これがロディからコレアへのアシストにつながった。

 チーム全体の巧みなポジショニングでラージョを翻弄し、鮮やかに崩した得点だった。連敗を脱したアトレティコは、この勝利を調子を取り戻すきっかけにできるか注目したい。

◆【動画】ラ・リーガ アトレティコ・マドリードvsラージョ ハイライト
(アトレティコの2点目は2分22秒~3分7秒)

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