2022.01.01

中井卓大の才能を指揮官ラウルも高く評価。スペインでの現状とレアルBで主力になるための課題

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【主力を張るにはパワーアップも必要】

 ボランチでの起用が多いが、登録は攻撃的MFになっている。トップチームのクロアチア代表ルカ・モドリッチ、ドイツ代表トニ・クロースのように、ボランチ、インサイドハーフ、もしくはトップ下でのプレーが有力だろうか。

「(レアル・マドリードがパスを所有する)久保(建英)はすばらしい選手だが、もうひとりの日本人が今やラウルを魅了している!」

 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、プレシーズン最後のフエンラブラダ戦で中井が左サイドから2人を置き去りにするドリブルでラストパスを送ったシーンを取り上げていた。

 中井はカスティージャの選手としての公式戦出場はまだないが、招集を受けるだけでも、ひとつのトピックと言える。

 現在、カスティージャの中心的MFは、トップチームデビューも果たしている21歳のアントニオ・ブランコである。同じくトップデビュー済みの攻撃的MF、セルヒオ・アリーバスは20歳で、トップで控えの左サイドバック、ミゲル・グティエレスも20歳、ジネディーヌ・ジダンの息子であるMFのテオは19歳。19~21歳の選手が中心のチームだ。18歳の中井とはおよそ2歳差で、この年代では体力的なハンディが出る。

 事実、八面六臂の活躍だったバダホス戦でも、中井は50分過ぎに足をつって交代を余儀なくされていた。身長は約180センチまで伸びたが、線はまだ細く、カスティージャで主力を張るにはパワーアップも求められるだろう。しかし、体力さえ身につけば、卓抜としたプレースキル、インテリジェンスが武器になるはずだ。

 今シーズンのレアル・マドリードは、3チームあるフベニルのA、B、C及びカスティージャの風通しをよくして、所属選手をシャッフルしながら強化している。そのおかげで、カスティージャの門戸が開かれている。一方で全体的な競争もし烈で、例えば中井は主戦場のはずのUEFAユースリーグで、シェリフ・ティラスポリ戦、インテル戦と2試合とも途中出場で、年下の俊英からの突き上げも食らう状況だ。