2021.12.22

三笘薫が久保建英、長友佑都を超えるような活躍。フロンターレ時代より数段たくましくなった

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Panoramic/AFLO

【サイドバックで逆転劇の立役者に】

 セルクル・ブルージュ戦は、それでいながらチームナンバーワンの活躍を見せたわけだ。その2試合前に行なわれた第18節メヘレン戦しかり。2-0で勝利したこの一戦でも、三笘はチームで1番と断言したくなるプレーを披露している。

 逆転勝ちしたセルクル・ブルージュ戦では、0-2から反撃の狼煙を上げるゴールを挙げた。決めただけではない。チャンスを作ったのも三笘だった。後半12分、サン・ジロワーズのGKアントニー・モリスは、相手のFKをキャッチするや、三笘にロングスローを送った。「あいつにボールを渡しておけば間違いない」と、わざわざ三笘を探してパスを出した感じだった。

 GKから、けっしてやさしくないパスを受けると、三笘は左サイドから内に切れ込むように高速でドリブル。そこから右サイドを経由して、再び中央に折り返されたボールを、中央に走った三笘がゲットしたわけだが、その18分後にアシスト役として絡んだ同点ゴールのほうが、らしさは発揮されていた。

 左サイドの高い位置で、右サイドから送られてきた長いサイドチェンジのボールを受けるや、深々とした切り返しを交えながら、自慢のドリブルを開始。対峙する相手の左サイドバック(SB)を縦にかわし、ゴールラインまで進出するや、今度はそこから、ゴールラインを左手に見るように内に切れ込み、マイナスの折り返しを右足アウトで送り込んだのである。

 単に縦に抜くだけではない。ゴールラインを深々とえぐり、内に切れ込みながら折り返す。この高度なウイングプレーを、ウイングではなくウイングバックの選手がする。正確に言えば、セルクル・ブルージュ戦の後半は布陣が4バックに変わっていて、三笘はその左SBだった。さらに数メートル、立ち位置を下げた状態で、ウイングまさりのプレーをした。

 ウイングで起用されれば、そのドリブル能力はもっと発揮される。低い位置で使われることで、その可能性が鮮明になっている格好だ。

 得点能力しかりだ。三笘の得点は、セルクル・ブルージュ戦のゴールで5点目を数えるが、SBでそれなら、ウイングならその倍、2桁のゴールを奪えているだろう。「切れ込んでシュート!」。これは、川崎時代にあって、サン・ジロワーズでは拝みにくい代表的なプレーになる。シュートが打ちにくい状態にあるので、活躍の割に得点数は伸びない。ウンダヴ(16点)とヴァンザイル(11点)に劣る理由だ。