スペイン代表を若手5人が変える。カタールW杯までの成長期待率ナンバー1 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 フェラン・トーレスはマンチェスター・シティに所属する21歳だ。昨年3月のネーションズリーグ戦で代表デビューして以来、これまで22試合で12得点をあげている。ネーションズリーグの準決勝イタリア戦では2ゴールをあげ、チームを決勝に導いている。マンチェスター・シティでも昨シーズンは13ゴール3アシスト。左右のウィングや中盤でもプレーでき、非常にテクニカル。ドリブルで敵を翻弄し、受け手にぴったりと合わせたパスを出す。 

 バルセロナのFWアンス・ファティは19歳になったばかりだが、メッシからバルセロナの背番号10を引き継いだというだけでも、いかに優秀な選手かわかるだろう。バルセロナでは2019年に16歳と298日でトップチームデビュー。すぐに初ゴールを決め クラブ最年少ゴールの記録も作った。10月には2027年までバルセロナとの契約を延長、違約金は10億ユーロ(約1300億円)とされ、その期待度がうかがえる。さまざまなテクニックを駆使してのドリブルの突破力はピカイチだ。状況把握の早さもすばらしい。代表ではまだ4試合しかプレーしていないが、ケガさえなければ来年のW杯では絶対にプレーするだろう。

 忘れてはいけないのがバルセロナの17歳、ガビだ。ネーションズリーグのイタリア戦で、17歳62日で代表デビューを果たし、最年少記録を更新した。バルサの下部組織で育ち、今シーズンの第3節ヘタフェ戦でトップチームデビュー、すぐに精度の高いプレーを見せた。骨折しても立ち向かう闘争心の強さも彼の武器だろう。

 ちなみにアンス・ファティとエリック・ガルシアは、バルサの下部組織で日本の久保建英のチームメイトでもあった。

 私は、この5人がこれからスペインを変えていくと思う。今現在、スペインは決してカタールW杯の優勝候補筆頭ではない。しかしこの1年で、世界で一番伸びる可能性のあるチームでもある。

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