2021.11.24

ネイマール中心のセレソンをブラジル人は危惧。圧倒的な強さでカタールW杯出場もいったいなぜ?

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 もちろん、ネイマール以外にもヨーロッパのトップチームで活躍する選手は数多い。

 PSGのマルキーニョス、リバプールのファビーニョ、レアル・マドリードのカゼミーロ、バルセロナのフィリペ・コウチーニョ、マンチェスター・ユナイテッドのフレッジ......。みな20代後半の選手として最も脂ののった年代にある。

 特筆すべきはGKだ。今のブラジルには、プレミアリーグの強豪のゴールを守り、世界10指に入るGKが2人もいるのだ。リバプールのアリソン・ベッカーとマンチェスター・シティのエデルソン・モラレス。一応アリソンが正GKの形だが、どちらがゴールを守っても遜色はない。これはブラジルの大きな強みだろう。

 若い選手にもこと欠かない。ガブリエウ・ジェズス(マンチェスター・シティ)を筆頭に、ネイマールのお気に入りでもあるルーカス・パケタ(リヨン)。ブルーノ・ギマラエス(リヨン)、エデル・ミリトン、ヴィニシウス・ジュニオール(ともにレアル・マドリード)、ドウグラス・ルイス(アストン・ビラ)......彼らはみな24歳以下だ。

 それに加えて、東京オリンピックで金メダルを獲得した選手たちがこの秋から南米予選でA代表入りを果たしている。アントニー(アヤックス)、マテウス・クーニャ(アトレティコ・マドリード)、ギリェルメ・アラーナ(アトレティコ・ミネイロ)。もしかしたらブラジルはカタールで最も平均年齢の低いチームとなるかもしれない。

 だが実を言うと、ブラジル人はそんなセレソンに決して満足していない。安定した強さでカタール行きのチケットを手に入れたチームを、ブラジルの人々は全く違った角度から見ているのだ。

 ブラジル人は華麗なプレー"ジョゴ・ボニート"でなければ納得しない。セレソンの選手たちは勝つだけでなく、ワクワクさせてくれるサッカーを見せて彼らを満足させることが求められる。試合を完璧には支配することができず、夢を見させてくれない代表チームに、サポーターは不満の色を隠せない。予選13試合中、ブラジル人が満足してたのは、4-1で勝利したウルグアイ戦だけだった。