エムバペもイチオシする有望株が続々。育成大国フランスが生んだ「金の卵」5選 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 一方のグイリは、カリム・ベンゼマをはじめ数々の名手を輩出する名門リヨンの育成センター出身のアタッカー。2017年のU−17欧州選手権で7ゴールを記録して得点王に輝くなど、若くして将来を嘱望された屈指のタレントだ。

 選手層の厚いリヨンでは出場機会に恵まれなかったが、昨シーズンに意を決してニースに完全移籍したことが大当たり。左ウイング、2トップの一角、1トップと、前線の複数ポジションでプレーしながら覚醒し、リーグ戦で12ゴール7アシストをマークした。

 さらに、昨シーズンにリールをリーグ優勝に導いたクリストフ・ガルティエが新監督に就任した今シーズンは、4−4−2の2トップの一角として序盤から大活躍。昨シーズン以上のハイペースでゴールとアシストを量産するなど、昨シーズンの活躍ぶりがフロックでなかったことを証明している。

 エムバペが最近のインタビューで「国内で注目している選手」としてグイリの名前を上げるほど、その評価は急上昇中。アルジェリアにルーツがあるため、将来はアルジェリア代表を選択する権利を有するが、本人はあくまでも"レ・ブルー(フランスA代表の愛称)"を目指すと公言。近い将来、フランス代表に招集される可能性は十分にあるだろう。

 そしてもうひとり、まだブレイクとは言えないが、注目を浴びる規格外のダイヤの原石がいる。開幕からスタメンとしてプレーするアンジェの神童、モハメド=アリ・チョ(17歳)である。

 2004年にパリ郊外で生まれたチョは、パリ・サンジェルマンの下部組織でプレーしたあと、2015年に両親の仕事の都合によりイングランドに移住。11歳の時にエバートンに入団すると、イングランドU−16代表でもプレーした。

 2020年、再びフランスに戻ったチョはアンジェの下部組織に加わり、昨シーズンにトップデビュー。スタメンは1試合だったが、試合終盤に登場するインパクトプレーヤーとして21試合に出場した。

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