ジョタ、カンセロがCLで大活躍。技巧派ポルトガル人選手がビッグクラブを支えている (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AP/AFLO

 それは同時に、南野の出場時間が伸び悩む原因でもあるのだが、それはともかく、ジョタは、後半3分にもアトレティコゴールを破るシュートを放っていた。ジョエル・マティップからのスルーパスを、左足で流し込んでいる。ほんの数センチ、アトレティコの最終ラインより先で受けたため、VARでゴールは取り消しになったが、存在感をアピールするには十分なアクションだった。

 技巧を売りにするポルトガル代表FWはアトレティコにもいた。間もなく22歳になるジョアン・フェリックスだ。アトレティコホームで行なわれた第3節の試合で、個人的には最大の見せ場を作った選手として記憶している。1-2から2-2に追いつくグリーズマンのシュートを演出したドリブルとパス。奥ゆかしいと言うか、味わい深いと言うか、そのまさにサッカー的なボール操作術に、こちらの目は釘づけになった。

 2戦続けて、ポルトガル代表選手のプレーに酔いしれたわけだが、リバプール対アトレティコ戦と同時刻に行なわれていたマンチェスター・シティ対クラブ・ブルージュ戦でも、ポルトガル代表選手がマン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を演じていた。

 マンチェスター・シティの左サイドバック(SB)として先発したジョアン・カンセロだ。開始早々、バー直撃弾を放ったかと思えば、チームがこの日挙げた4点中、3点にアシスト役として絡んだのだ。

 思わず、現在の世界ナンバーワン左SBと断言したくなった。利き足は右だが、そう言われなければ左利きにも見える、いわば両利きだ。この試合の後半、左利きの左SBオレクサンドル・ジンチェンコが投入されると、カンセロは右SBとしてプレーしている。左SBと全く変わらぬ雰囲気を発露させながら。SBが活躍するチームは強いと言われる今日のサッカーだが、カンセロはその言葉を裏づける選手と言える。

 ジョタ、ジョアン・フェリックスに続き、カンセロも技巧派だ。近年、めざましい勢いで数を増やしているアスリート系選手たちと一線を画す。カンセロとともにマンチェスター・シティに欠かせぬ存在となっているMFベルナルド・シルバしかり。同チームに所属するもうひとりのポルトガル代表選手、ルーベン・ディアスはセンターバックなので例外になるが、身体能力や強度を売りにしていないところに、このご時世、高い価値を感じる。彼らのプレーを見ているとホッとさせられる。マンチェスター・ユナイテッドの中心選手、ブルーノ・フェルナンデスもそうだ。

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