メッシでもロナウドでもない。CLで主役級の活躍を見せている注目の3人 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 そのバイエルンを抑えて英国ブックメーカー各社が優勝争いの本命に挙げるのは、昨季の準優勝チーム、マンチェスター・シティだ。こちらは3試合で得点11。失点も6あるが、第3節では、初戦でパリ・サンジェルマン(PSG)に引き分け、第2節でライプツィヒに勝って勢いに乗るクラブ・ブルージュに対し、アウェーで1-5と大勝。内容も申し分なかった。昨季よりパワーアップしている様子だ。

 その一因は、左ウイングでプレーするジャック・グリーリッシュにある。今季アストン・ビラから移籍してきたイングランド代表。CL初制覇を狙うマンチェスター・シティにとって、間違いなく有益な補強だった。

 マンチェスター・ユナイテッドに入ったクリスティアーノ・ロナウドより、PSGに加わったリオネル・メッシより、はたまた昨季の覇者チェルシーに加わったロメル・ルカクより、チームにきれいに収まっている。ブックメーカー各社がマンチェスター・シティを本命に推す理由も、そこにあると考える。

 右利きの左ウイング。しかしながらゲームメーカー的と言うか、10番的なセンスも備えている。パッサーでありドリブラー。さらに言えば、相手を背にしたポストプレーもうまい。三笘薫と鎌田大地を足して2で割ったような感じだ。バルサのメンフィス・デパイ的な選手と言うべきか。

 グリーリッシュが構える左サイドの奥深い位置にポイントを築くことで、マンチェスター・シティは、横から崩すイメージが鮮明になっている。背後で構えるポルトガル人の左SBジョアン・カンセロも、ボールをグリーリッシュに預けることができるので、高い位置に出ていきやすくなっている。両者のコンビネーションはとてもよい関係にある。チームの新たなストロングポイントとなっている。

 バイエルン、マンチェスター・シティ、さらにはマルメに4-0で勝利したチェルシー、シャフタールに0-5で勝利したレアル・マドリードと、強者が順当に大勝する中で、こちらに最もインパクトを与えたのは、アーリング・ハーランドを擁するドルトムントを、4-0のスコアで血祭りにしたアヤックスだ。

 第3節を終了して得点11、失点1。3戦3勝勝ち点9で、C組の首位に立ち、3シーズンぶりのグループリーグ突破を目前にしている。

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