ネイマールが四面楚歌で重大危機。たび重なる非難に精神的に疲弊している (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 先に述べたペルー戦では、ネイマールは1ゴール1アシストの活躍を見せた。しかし試合後にマイクを向けられた彼の表情は晴れなかった。

「みんなからリスペクトされるために、これ以上、何をしたらいいかわからない。こんな状態が日常化して、ずっと続いている。ときどきインタビューにも答えたくなくなる」

 ネイマールは生中継でそう嘆いた。

 またDAZNのインタビューではこんな発言をして皆を驚かせた。

「たぶん2022年のカタール大会が自分にとって最後のW杯になると思う。それ以降も顔を上げてサッカーを続けられるか、わからないからだ」

 こうした発言から、ネイマールが精神的にかなり疲弊していることがうかがえた。

 FIFPro(国際プロサッカー選手会)は最近になって、プロ選手のメンタルをケアする活動を開始している。彼らが出した統計によると、プロ選手の23%に睡眠障害、9%に鬱、7%に不安障害があるという。キャリア途中で選手を辞めた者の13%は心の問題が遠因だともいう。

 選手のメンタルヘルスの問題といえば、最近ではテニスの大坂なおみ選手や東京五輪を途中棄権したアメリカの体操女王シモーネ・バイルズ選手の例もある。ネイマールがそこまで追い込まれているのかどうかはわからないが、なんらかのダメージを負っているのは確かだろう。

(後編:PSG内での序列は3位に>>)

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