2021.10.06

柴崎岳はチームの主力、岡崎慎司は早くもチームにフィット。スペイン2部で突出する力を見せている

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kwamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 岡崎は「スペイン2部で史上最も成功した日本人選手」と言える。一昨シーズンはウエスカでチーム得点王となり、昇格の原動力となった。福田健二が2006-07シーズンに記録した2けた得点をようやく更新。プレミアリーグ優勝FWの経歴は伊達ではなかった。クレバーな動き出しや単純にボールを叩く強度と精度は2部でトップレベルだ。

 昨シーズン、岡崎は1部で結果を残すことはできなかった。しかしそこにはチーム事情もあったし、極端に評価は下がったわけではない。その証拠に、2部昇格のカルタヘナから移籍登録期限ぎりぎりでオファーが届いた。

 チーム合流後すぐ、オビエド戦で交代出場。次のルーゴ戦は先発し、自陣からのロングパスをダイアゴナルランで引き出し、経験不足の若いGKを老獪に誘い、先にボールに触ってPKを獲得した。

 岡崎はカルタヘナで基本、4-2-3-1の左サイドを任されている。相手のサイドバックにふたをし、斜めに走ってプレーを活性化し、球際で戦うポストプレーで拠点を作る。何より、インサイドに入ってフィニッシャーとして、もしくは得点に直接的に関与することが仕事だ。

 トップには40歳の大ベテランFWルーベン・カストロが陣取るが、驚くべきことに岡崎は彼とのコンビネーションをほぼ確立している。呼吸を合わせられるのは岡崎の異能。カストロだけでなく、パブロ・デ・ブライシス、モハメド・ダウダ、アレックス・ガジャールとも、すでに熟練の連係を見せる。先発2戦目のフエンラブラダ戦でも序盤からパスを集め、3度は決定機を得ていた(一度は右ポスト直撃)。味方にとって、パスを出したくなるタイミング、コース取りができるのだ。

 岡崎は、戦術的に日本史上最高のストライカーと言える。どんな状況でも適応できるだけに、いま森保ジャパンに選ばれても十分に貢献できるだろう。カルタヘナは戦力的に2部残留が目標だが、今シーズンも2けたゴールを記録できるようなら、1年後のカタールW杯メンバーに入っても不思議ではない。