がんばれ香川真司、カタールW杯出場へ正念場。チームのどのポジションで活路を見いだせるか

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 ロシアW杯後、当時所属していたドルトムント(ドイツ)ではリュシアン・ファーヴル監督の構想外となり、冬のマーケットでトルコのベシクタシュに半年間のローン移籍。すると、出場機会が増えたことで2019年3月にはロシアW杯以来となる日本代表に招集され、森保ジャパンの一員として初めてプレー。コロンビア戦とボリビア戦のピッチに立った。

 ただし、所属のベシクタシュでは終盤戦が近づくにつれてトーンダウン。4ゴールをマークしたものの、プレー時間はそれほど多くなく、終わってみれば出場試合も14試合(先発4試合)に終わっている。

 ようやく香川がトップフォームを取り戻したのは、2019年夏、かねてから本人が望んでいたスペインの地に活躍の場を移してからだ。

 2部サラゴサと2年契約を結ぶと、開幕から好調をキープして加入初年度は34試合(先発25試合)に出場し、4ゴールを記録。プレー時間も1914分に伸ばすなど、2172分を記録した2015−2016シーズン(ドルトムント時代)に近づくほどの充実ぶりだった。

 にもかかわらず、チームが1部昇格プレーオフで敗れたことをきっかけに、またしても香川に不幸が訪れた。2年目の2020−2021シーズン、再び2部での戦いを強いられたサラゴサは、コロナ禍の影響もあって高額サラリーの香川を放出することを決断。さらに外国籍枠の問題も重なり、昨年10月には異例の契約解除という結論に至ったのである。

 そんな経緯もあり、PAOKに加入した香川には期するものがあったはずだ。もちろんそれは、獲得した側のPAOKも然り。チーム随一の実績とネームバリューを誇る香川に対する期待値は、当然ながら高くなる。だからこそ、批判の的にもなりやすい。

 その香川は、現在32歳。近年のサッカー界を見渡せば、まだ衰えるような年齢では決してない。それに、無所属だった時期においても精力的にフィットネスを鍛え上げ、フィジカルコンディションも一定のレベルをキープしていた。逆に言えば、いい状態を保てていたからこそ、PAOKも香川獲得を決めたはずだ。

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