欧州サッカー新シーズンを戦う日本人選手たち。福田正博が大きく期待を寄せる選手とその理由は? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 復帰後の古橋がセルティックでコンスタントに結果を残せるかは、やはり代表活動による負荷を乗り越えられるかが大きなポイントになるだろう。リーグ戦やヨーロッパリーグなどを戦いながら、来年3月までW杯アジア最終予選は続いていく。

 試合数の多さと長距離移動によって疲労が溜まっていくなかでも、開幕時のような強いインパクトを残していけるのか。それができれば来季のステップアップにつながるだろうし、カタールW杯本大会の日本代表にも近づくのではないか。

 古橋とともに6月までJリーグで得点王争いを繰り広げたオナイウ阿道も、今夏に横浜FMからフランス2部のトゥールーズへ移籍した。移籍後4試合はゴールが遠かったが、その後は2試合連続ゴール。初ゴールはワントラップから右足で決め、2得点目はヘディングでゴールネットを揺らした。

 その後、試合出場はなかったが、W杯アジア最終予選の中国戦を戦う日本代表へ追加招集された。そして、チームに戻ると次の試合でまたゴールを決めた。3試合連続得点だ。

 Jリーグではフィジカル面の優位さで得点力を高めたオナイウが、自身よりもフィジカル面で上回る海外リーグのDFに揉まれながら飛躍を遂げていくのを楽しみにしている。

 東京五輪組ではオーバーエイジを除くと、冨安、板倉滉(今季からシャルケ/ブンデス2部)、中山雄太(ズウォレ/オランダ)、橋岡大樹(シント=トロイデン/ベルギー)、堂安律(レンタル先から復帰してPSV/オランダ)、三好康児(アントワープ/オランダ)、久保建英(今季からマジョルカ/スペイン)が海外組だったところに、五輪後に新たに3選手が海外クラブ所属となった。

 三笘薫は川崎フロンターレからベルギーのサン=ジロワーズへ、田中碧が川崎からブンデスリーガ2部のデュッセルドルフへ、林大地がサガン鳥栖からベルギーのシント=トロイデンへと移籍した。どの選手にも新天地で結果を残しながら成長してもらいたいと思う。

 以前に比べて海外移籍へのハードルが低くなり、「成功したい」という野心を持って海を渡る若い選手が増えた。彼らには眼前のチャンスには貪欲になって、そのチャンスを何としてモノにしようとする気概を見せてもらいたい。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る