メッシ加入で年俸総額がエグいPSG。バルサ、レアル、マンUらと比べても高額で経営は大丈夫か (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 そもそもPSGには、推定5636万ユーロ(約73億円)を受け取るネイマールや、推定年俸3209万ユーロ(約41億円)のエムバペのほか、DFプレスネル・キンペンベ、DFマルキーニョス、MFマルコ・ヴェラッティ、FWアンヘル・ディ・マリア、GKケイラー・ナバスといった推定年俸1000万ユーロ(約13億円)超えのワールドクラスが多数存在する。

 その結果、現段階における登録選手の年俸総額は、推定約3億8342万ユーロ(約498億円)という、ヨーロッパナンバーワンのとてつもない金額に膨れ上がっているのだ。

 この数字がいかに突出しているかは、ほかのビッグクラブと比較するとよくわかる。

 高額な人件費がネックとなってメッシを放出せざるを得なかったバルセロナでも、現時点で推定総額約2億7311万ユーロ(約355億円)。イングランドのプレミア勢では、マンチェスター・ユナイテッドが約2億864万ユーロ(約271億円)、チェルシーが約1億8733万ユーロ(約243億円)、マンチェスター・シティが約1億2443万ユーロ(約161億円)、リバプールが約1億2400万ユーロ(約161億円)と、意外と人件費は抑えられている。

 一方、PSGに次ぐ高額な選手人件費を負担するのがレアル・マドリードで、ガレス・ベイル、エデン・アザールを筆頭に1000万ユーロを超える高額年俸選手を16人も抱えているため、推定総額は約3億4220万ユーロ(約444億円)になっている。

 いずれにしても、ひと夏で一気に人件費が急増することになったPSGにとって問題になるのは、彼らが1年間で稼ぎ出す総収入に対する選手人件費が占める割合だ。

 監査法人デロイト社が毎年発表する最新のクラブ別収入統計によれば、PSGの2019−2020シーズンの総収入は約5億4060万ユーロ(約702億円)。これに対し、世界トップの収入を誇るバルセロナは約7億1510万ユーロ(約929億円)で、2位レアル・マドリードが約6億9180万ユーロ(約899億円)だった。

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