メッシ退団発表でバルサを包む喪失感。今も鮮明に残る「僕は無敵」の言葉 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFP/AFLO

◆バルサの危機。MSNへの熱狂の陰で「青とえんじの色」は薄まり続けた

「ありがとう、メッシ」

 それは多くの人の気持ちだが、クラブマネジメントとしては美談にすべきではないだろう。そもそも、ここ数年のバルサの選手マネジメントに問題があった。

 フィリペ・コウチーニョはざっと移籍金180億円、年俸20億円、ウスマン・デンベレは移籍金200億円、年俸20億円、アントワーヌ・グリーズマンは移籍金150億円、年俸40億円。3人の稼働率は高くない。他にも湯水のようにお金を使い、安値で売りに出す、を繰り返した。今シーズンは移籍金ゼロでメンフィス・デパイを獲得したが、年俸はボーナスを含めると30億円に迫る。

 極論を言えば、全員を売りに出してもメッシを引き留めるべきだったのではないか。

 メッシ自身は、まだコメントを出していない。チームメイトも沈黙し、かん口令が敷かれているのか。移籍先は、ネイマール、アンヘル・ディ・マリアなど友人の多いパリ・サンジェルマンが有力とも言われるが......。

「僕は全部の試合を勝ちたい。自分は負けるのが嫌。とにかく我慢ならない。勝つためにピッチに立つし、自分が試合を決めるプレーをする。バルサでずっとプレーしたいし、たくさん試合に勝ちたい」

 10代だったメッシの言葉は今も鮮明だ。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る