東京五輪代表有力候補だった安部裕葵。バルサBでの評価は高いが、トップ昇格の可能性は? (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Pressinphoto//AFLO

◆スペインの名指導者が推す東京五輪でカギを握る7人。「U-24世代では1、2を争う逸材」と絶賛した選手は?

 今シーズンも、安部はバルサBで雌伏の時を送る。その競争はハイレベル。19歳のアメリカ代表アタッカー、コンラッド・デ・ラ・フエンテは、移籍金4億円でフランスのマルセイユへ新天地を求めた。新たに入団した18歳のアタッカー、オーストリア代表のユスフ・デミルはすでにトップチームに帯同するなど、追い上げは激しい。

 安部に対する首脳陣の評価は高いが、トップに昇格できる選手はひと握りで、タイミングや運も必要になる。

 トップチームの2戦目に安部は招集されず、代わりにバルサBのプレシーズン開幕戦に先発出場した。そのレスカラ戦、安部は右サイドからのクロスをヘディングで折り返されたボールに、右足で合わせてゴール。その後、右サイドからピンポイントでクロスをヘディングで合わせ、アシストも記録した。右サイドの新加入アタッカー、フェラン・ジュグラとの連係は快調で、3-0と快勝の立役者になった。

 バルサBを率いるのは、1980年代末から90年代前半にかけて「ドリームチーム」と崇められた黄金期の一員、セルジ・バルファン監督。今季の目標は2部昇格となる。8月1日からは猛暑を避けてキャンプを張る予定だ。東京五輪世代が熱い戦いを演じる一方、安部はバルサBで名声を高められるか。

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