日本の五輪3戦目フランスは戦力大幅ダウン。スペインはドリームチームで出場

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFP/AFLO

◆「このピッチから去りたい」日本代表、サンドニの悲劇。戦えたのは中田英寿だけだった

 なんとユーロ2020に出場したスペイン代表から、GKウナイ・シモン(ビルバオ)、DFパウ・トーレス(ビジャレアル)、エリク・ガルシア(バルセロナ)、MFペドリ(バルセロナ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、FWミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)と6人も選出されたのだ。ちなみに準決勝イタリア戦ではこのうち5人が先発し、トーレスも途中出場している。これだけでも突出したメンバーと言える。

 さらにOAも、マルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)、ダニ・セバージョス(レアル・マドリード)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)とフル代表クラスの選手たちが結集した。

 今回は各クラブに打診のないなかでの招集で、バルサなどはあからさまに難色を示した。例えばペドリはユーロ2020ではチームトップの走行距離を記録し、疲労からくるケガなども懸念される。さらに、五輪参加の後は2週間のオフが選手会から義務付けられたことから、シーズン開幕に間に合わない可能性もあるのだ。

 しかし、本人の参加意思は強く、ユーロ組は6人とも17日のU-24日本代表戦に向けた日程が組まれているという。

 他にも、すでにリーガで場数を踏んだ選手を擁する。久保建英と同じバルサ育ちで、ヘタフェで同僚だった左利きマルク・ククレジャ、岡崎慎司と2トップを組んだラファ・ミル(ウエスカ)、乾貴士から定位置を奪ったドリブラー、ブライアン・ヒル(エイバル)と多士済々。マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)は次世代のスペインを担うプレーメーカーだ。

 MVP候補にはアセンシオを推したい。レアル・マドリードの次期エースと期待されながら伸び悩み、ユーロ2020メンバーも落選した。しかし潜在能力は怪物級。繊細さと豪快さを同時に併せ持つ左足を持ち、サッカーIQもすこぶる高い。

 五輪サッカーに23歳以下の制限がかかった92年のバルセロナ五輪以降、欧州勢で優勝経験があるのはスペインのみだ。

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