バルサの財政問題で足元から揺らぐリーガ。メッシもついに無所属に (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 一方で、バルサBの主力になっていた同じポジションで19歳のアメリカ代表FWコンラッド・デ・ラ・フエンテをマルセイユへ、わずか4億円で売り渡した。

 マンチェスター・シティからアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロを獲得したのは、短期的には有益な補強だろう。しかしルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード)を無料で手放し、33歳になるアグエロ獲得では先見の明がないと言われてもしかたない。シティでポジションを失い、全盛期の力はないアグエロが、適応に時間のかかるバルサでどこまで活躍できるのか、はなはだ疑問だ。

 DFオスカル・ミンゲサ、ロナウド・アラウホ、MFペドリ、フレンキー・デ・ヨング、イライス・モリバ、リキ・プッチ、FWアンス・ファティは次世代の光明と言える。未成年選手の登録違反で手放さざるを得なかったMFケイズ・ルイスを18歳で取り返せたことも朗報だろう。バルサカラーを身に沁み込ませた選手だけに順応にも問題はない。

 しかし、すべてはメッシと再契約ができるかどうかにかかっている。

 一方、レアル・マドリードも、ひとつの時代が終わった。2020-21シーズン限りで、欧州三連覇を成し遂げたジネディーヌ・ジダン監督はクラブを去った。主将を務めてきたセルヒオ・ラモスもパリ・サンジェルマン(PSG)移籍が決定的、ラファエル・ヴァランも移籍が有力視される。

 代わりにカルロ・アンチェロッティが監督に就任、バイエルンからダビド・アラバの獲得が決まった。噂されたクリスティアーノ・ロナウドの復帰はほぼ可能性がなくなった一方、33歳のマルセロと契約を延長し、ルカ・モドリッチ(35歳)、カリム・ベンゼマ(33歳)、トニ・クロース(31歳)など、中心選手の平均年齢は今も高い。世代交代は難儀しそうだ。

 アーセナルから復帰予定のMFマルティン・ウーデゴールや下部組織出身の新鋭MFアントニオ・ブランコが台頭できるか。マルコ・アセンシオ、ダニ・セバージョスにも期待はかかるが、2人は東京五輪メンバーでプレシーズンに不参加の予定。これは大きなデメリットになる。

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