欧州サッカー日本人最新市場価格。この1年で評価を変えたベスト&ワースト3 (3ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Sano Miki

◆「冨安健洋移籍」情報の舞台裏。現地記者が明かす一筋縄ではいかない交渉>>

 直近では、アタランタとトッテナムが移籍先候補として挙がっており、チャンピオンズリーグ(CL)でプレーする可能性も小さくはない。冨安の22歳という年齢で、CLの舞台で活躍できれば、評価はさらに上昇するはずだ。

<評価を下げたワースト3>

1位 中島翔哉(ポルト)
市場価格350万ユーロ(約4億5850万円)
下降額1250万ユーロ(約16億3750万円)

 2018年の時点では、中島翔哉は海外でプレーする日本人として最も興味深い選手になると見られていた。ポルティモネンセでの評価の急上昇により、一時は最も市場価格の高い日本代表選手にまでなっていた。

 ところが、この後のカタールのアル・ドゥハイルへの移籍が急ブレーキとなる。この移籍は、サッカー選手としてのキャリアが停滞するだけではなかった。

 アル・ドゥハイルの後はポルトへ移籍したが、この時ポルトから別のチームへ中島が移籍する際、移籍金の50%がアル・ドゥハイルに入るようになっていた。当時設定された移籍金は8000万ユーロ。だが、このカタールのクラブにとって、このバイアウトの条項は、結果的に大損をもたらす投資となった。中島の市場価格は落ち、見込んでいた4000万ユーロが入ってくる様子はない。

 結果的に、中島はカタールで贅沢な生活がしたかっただけではないか、という評価がつきまとった。さらに、ポルティモネンセ時代に見せていたゴール前の危険なプレーも鳴りを潜め、ポルトからUAEのアル・アインにレンタル移籍で放出されてしまう。

 そのアル・アインでは、2試合に出場した後、大きな怪我でシーズンを棒に振ってしまった。これらの条件を考慮に入れると、かつてのフォームに戻るまでの時間は予測がつかない。そのため、他の海外日本人選手と比べて、大きく差をつけて市場価格を下げることとなった。

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