メッシ、ネイマールが絶好調。コロナ禍のコパ・アメリカで際立つ2強 (2ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • photo by Reuters/AFLO

 ブラジルには、リオネル・メッシ(バルセロナ)のタトゥーを背中一面に入れた名物サポーターがいる。前泊のホテルからアルゼンチン代表が会場へ移動する際、メッシはこのサポーターを発見。自ら歩み寄り、渡されたマジックペンで背中にサインしてグータッチをかわした。このシーンは美談として報じられていたが、明らかに「部外者との接触」に該当するだろう。

 一方、成績のほうは好調で、3勝1分けの1位通過。メッシはこれまでコパ・アメリカに5回出場しているが優勝には届かなかった。6回目、そしておそらく最後となる今回は、悲願の栄冠奪取に燃えている。ボリビア戦ではアルゼンチン代表最多出場となる148試合の新記録を達成。ここ2年ほど、代表ではPKによる得点だけだったが、今大会はFKや流れの中からもゴールを決め、絶好調だ。

 今回からグループリーグは南米大陸を南北に分け、グループAが南ゾーン、グループBが北ゾーンとなった。広大なブラジルは、サンパウロやリオデジャネイロといった主要都市は大陸南部にあるが、アマゾン地帯は北部なのでグループBに入っている。ブラジルを南ゾーンにすると、アルゼンチンと同組となるため、それを避けるための措置でもある。以前はこの分け方をすると、ブラジルとそれ以外の北部勢との格差が大きすぎ、南部勢から不公平感を持たれたが、ここ20年ほどのエクアドルとコロンビアの躍進で、実現の運びとなった。

 しかし、蓋を開けると「ブラジル一強」に逆戻りしていた。

 コロンビアはブラジル戦でルイス・ディアス(ポルト)のゴールにより先制したが、ネイマールのパスが主審に当たる展開から同点にされ、10分という長いアディショナルタイムに決勝ゴールを奪われた。コロンビアのレイナルド・ルエダ監督や選手たちは判定に対して不満を露わにしているが、VARでの確認も行なわれたので、判定に問題はない。

 ポゼッションはブラジルの7対3でシュート数は8対2と実力差は歴然。コロンビアはエースのハメス・ロドリゲス(エバートン)がコンディショニング不良で不参加とはいえ、1勝1分け2敗は期待を裏切る成績だ。

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